ボーイフレンド(腐) | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。

 

 

♠9
ガチャリとドアが開く音。

「お邪魔しま~す。」

玄関から物音と声が響く。

…松潤?

「おー、先にやってるよ~。」

リビングの扉を開き俺の姿を確認すると、「お疲れ~」と片手を上げられる。

「あ…お疲れっしたぁ。お先でぇ~す。」

「ユルいな(笑)翔君、ツマミ、いつもの買ってきた。一旦冷蔵庫入れるよ?」

「あざーっす!よろしくゥ!」

え?

慣れた様子でキッチンに向かう松潤にめっちゃ違和感。

何、そんな感じなの??

「…松潤と2人で飲んだりするの?」

「え?まぁ、そうだね。ライブの打合せとか、逆に終わった後のオフラインチェックとか…結構あるかな?」

「ふぅん…大変だね。ずっと仕事の話?」

「まさか。大半はあなたの…いや、引いてはメンバーの話とか…。」

「へえ~…。」

……何だろ。

飲み過ぎたかな、何かすげぇ…モヤモヤする。

翔君と松潤が、2人で…家で…仲良く……。

ふぅ~~~~~~ん……。


「何よ、その顔。」

ドカッと俺の横に座り、指を指してケラケラ笑う松潤。

並びは、テレビを正面に翔君、俺、松潤。

ローテーブルだからソファには座らず、その前でソファを背もたれにラグの上に座ってる。

イケメンに挟まれて両手に花ってやつ。

…じゃなくて

何だよ、俺どんな顔してんだよ?

「ほんとだ(笑)どうしたの智君(笑)」

翔君まで!

「なんか…」

「ええと、そうだな…」

あっ、と翔君が声を上げる。

「お気に入りのおもちゃをとられて…」

「「拗ねた子どもみたい!」」

翔君と松潤の声が綺麗に揃う。

きょとんと3人が顔を見合せ、ぶはって笑った。

「何だよ、そんなとこで仲良くかぶんな!(笑)ちゅーか子どもじゃねぇし!おっさんだわ!!」

「くく…おっさんチームだもんね?」

「お兄さんチームな?!」

「いや翔君、諦めようよ、もう立派なおっさんだって…」

「ちょっと智君!諦めたらそこで試合終了だよ?!」

「「試合じゃねぇ~(笑)」」


皆で笑いあって、酒も進んで。

翔君の録り溜めてる嵐の番組なんてかけちゃったりして。

あの時の楽屋の室温はどうとか、この回は実は腹下してたからヒヤヒヤしたとか、あーだこーだ言い合って。

モヤモヤしてたのなんていつの間にか吹っ飛んで、すっごい楽しくて。。

「んふふ、何かいいね、こーゆーの。」

「え?」

「メンバーの家になんにもないのに集まってさぁ。ほんと俺ら仲良いよね?」

クスクス笑うと、2人は顔を見合わせて「確かに」と照れ臭そうに笑顔になる。

テレビ横のスノードーム置き場には沢山キラキラしてるのが置いてあるけど、俺らが…

 

あれ、会報かな?…で作ったやつを1列目に飾ってくれてあって。

んふっ…俺の自信作は何故か裏面が前になっていて、赤いハートがよく目立つ。

仲良しっつーか…こうやってフカン?で見ると気持ち悪いな俺ら(笑)

「嵐が嵐見て夜な夜な集まって飲んでるとか、ウケ、るぅー。」

翔君の語尾の上がる独特な言い回しに、松潤がふふっと笑う。

「翔君さ、その言い方結構言ってるよね(笑)」

「え、そんな言ってる?久しぶりなつもりなんだけど!」

「言ってるよね?リーダー。」

「んふふ、うん、言ってる言ってる。最近もテレビ回ってない時たまに聞くもん。」

気を抜いてる時なのかもしれない。

翔君はこれまで色んな口癖言ってたけど、たまに忘れた頃に懐かしいの使ってくる。

マキシマム、とか、超絶、とか、ぷ…ぷちょへんざっ、とか。

テレビでは割かし気をつけてるみたいだけど。

「マジで?!やっべぇ気をつけよ…ブーム終わったのに…世間の。」

「や、世間のブームは俺の知る限りまず始まってないけど。」

松潤が冷めた顔でカランと氷を鳴らしてウィスキーを流し込む。

「ええっ?!Σ(`・3・´)嘘?始まってたでしょ?w流行語大賞ギリ逃してたって巷で噂になってなかった?w」

「そんな巷、存在しないねぇ。」

「え~おっかしいなぁ~w最有力候補だったと思ってたんだけどな~。」

「んふふふ…あはははは(笑)」

松潤のツンツンした言い方に翔君のコントじみた返答がおかしくって、笑ってしまう。

ふふ、やっぱ俺ら仲良いよねぇ?



どれくらい飲んだんだろう。

トイレから戻ってくると、ふにゃりと足の力が抜けて翔君に倒れ込んでしまった。

「ちょっと、あなた飲み過ぎ。」

翔君がよいしょって床に沈みそうな俺の体を起こしてくれる。

「ん~んふふふ。ごめんねぇ。」

「ほら、これ飲んで…」

翔君がどこから出したのか、ミネラルウォーターのペットボトルを俺の口に当てる。

トクトクトク…

角度のついたそれは口の中と火照った顔を冷やしていく。

「んっ…きもちー…。」

眠いし、目がトロンってしてるままそう呟いた。

口の端から入り切らなかった水が伝っていく。

その水が首筋に流れてきて、指の背で下からつーっと拭う。

よかったぁ、服濡れずに済んだ。

んふふ、セーフ。


「…あれ?どしたの?」

2人が真剣な…?目で、俺をガン見してる。

何?

何か変なことあった?

「…ここ、濡れてるよ。」

松潤の指が顎の下に伸びてきて、猫にするみたいにサワッて撫でてくる。

「んっ……くすぐってぇ」

何故だか松潤の喉仏が大きく動く。

酒でも残ってたかぁ?

「智君…ここ、ゴミついてる。」

翔君が頬と耳朶の間位をちょんって触る。

「やっ、んふ…やめれ、耳弱いんだって俺(笑)」

翔君のほっぺたが赤く染まる。

翔君も酔ってきちゃったの?


その時、翔君の腰がローテーブルに当たったらしく、カチャッとグラスが落ちた。

幸い液体は殆ど入っていなかったらしいが、雫が少しラグに飛び散った。

「だあ~~もぉっ!やらかした!!ごめん!服かかってない?!」

翔君が慌てて隣の俺が濡れてないか確認してくれる。

こういう時まで他人の気遣いを先にするんだから、翔君はすごい。

かかってないしグラスも割れてないけど、テーブルに物を置きすぎたようで。

「わり、ちょっと皿洗ってくるわ。」

「あ、ありがとぉ。」

「手伝う?」

松潤がすかさず聞く。

うーん、こういうとこがまたモテる要因だよなぁ。

「大丈夫、飲んでて。眠かったら客間に布団敷いてあるから勝手に寝てて。廊下ドン突きの部屋ね。」

「はぁい。」

雑にカチャカチャと食器を纏めてキッチンへ消える翔君を見送り、ラグに飛び跳ねた雫を這いつくばって丁寧にティッシュで拭く。

松潤にケツを向ける形で、正座してちょんちょんと濡れたところを押し当てていく。

ん、こんなモンでいーだろ。

満足いって身体を起こすと、背後から、ねえ、と声を掛けられる。

「ん?」

振り返ると、目の前に濃ゆ~い、イケメンの…だけど可愛さの残った顔。

あまりの顔の近さに驚いて「あ、わり」と引こうとすると、Tシャツの襟元を掴まれクンッと伸びる。

「…どした?」

「……酒臭いかと思いきや、まだ甘い匂いするね。大野さん。」

クン、と首元に鼻を寄せられる。

「…っ、な、何言ってんだよ?」

お前は犬か!

つーか、この体勢なんか……

ち、近くて変に意識してしまう!

ハッと我に返り、振り返って翔君を視界で確認するも姿が見えず安堵する。

だって、こんな近い距離で話してたら変な誤解されちまうし。

翔君家のキッチンは対面式でダイニングは丸見え。

だけどここはリビングで、翔君が意図的に顔を覗かせない限り俺らのことは見えない。

…はず。

「加齢臭とか…全然ないね?」

振り返っていたことで今度は耳元に松潤の鼻が来て、すうっと空気が移動する。

「ふふ…やっぱ甘ぇ。赤ちゃんじゃん。」

「んっ……!」

み、み、耳元で喋んなぁ…っ!

低い声で囁くその僅かな刺激に、身体がビクンと跳ねる。

触れられてもいないのに、腰の奥がゾクゾクと身震いしてしまう俺はおかしいんだろうか。

そんなことを考えていると、松潤は意地悪そうにニッと口角を上げる。


「ホント耳弱いよね。可愛い。」


~~~何だよ、くすぐったがりなんだよ!

「大野さん、さっきからそれ、わざと?」

カチャカチャ、ザー…

キッチンから翔君の音がする。

「…? 何が?」

「色気…ダダ漏れなんだけど。」

…いろけ?って、あの色気?

「何言ってんの(笑)お前に言われたくねぇわ!」

色気なんて松潤の代名詞じゃん!

今も俺の耳とか首とかに息吹いてきて…

ひっくい声出してさぁ…

「こんなんなぁ、俺じゃなかったら誤解されてんぞ?」

つーか、ほんと近い!

翔君…見てないよね?

チラチラとキッチンを確認するけど、不器用そうな皿洗いの音が小さく聞こえている。

「はぁ~。しんっじらんね、マジで鈍感だよね大野さん。大人しく誤解しとけよ。つーか誤解じゃねぇし。」

松潤が大袈裟な溜息をつく。

「は?何が?」

だからぁ、と松潤が何かを考え、そしてニッと笑う。


「大野さんのなら、俺、舐め てもいーよ。……ココ。」


悪戯な顔をした松潤が、こともあろうに俺の股間を指差す。

……はっ?!

舐める?!?ココを?!?!!?

「ば、ば、バカかお前は?!何言ってんだよ、シャレになんねぇわっ!」

出来るだけ小声で訴え、ドンと肩を突き飛ばす。

でも酔ってるからかな、松潤はビクともせず、相手の息をも感じ取れてしまう距離は変わらない。

パーソナルスペースっちゅうやつ、完全無視!

「…シャレなんて一個もないよ。」

その真剣な顔付きにドキッとする。

けど…

視線をキッチンへ向ける。

翔君がいつ戻るか、分からない。

こんな至近距離で向かい合って舐めるとかわけわかんねーこと話してるの見られたら、翔君、どう思うんだ?!

ドクドク心臓が跳ねる。

「…妬けるね。」

「な、何が?」

松潤の纏う空気が、ガラリと変わって焦る。


「翔君なんて気にしてんじゃねぇよ。

アンタは俺の事だけ考えてりゃいーんだよ。」


……は?

なに、言ってんの…?

「俺は…別に……」

言いかけて、口を噤む。

気にしてなんかない、だなんて、真っ直ぐ過ぎる瞳にそんな嘘言えない。

松潤の唇がそっと動く。


「大野さんと、キス…したい。…本気なんだけど、俺。」


───は?

ゆっくりと迫る真剣な顔は、どう見たって冗談には見えなくて。

ごくりと生唾を飲み込む。

酔いなんてとっくに醒めている。

松潤を見据える視界の端で、スノードームが小さく光る。


カタリ。

キッチンの方から音がした。

けど…振り向けない。


…ど、どうしよう…?

 

a 松潤を押しのけ、一人別部屋で寝る

 

 

 

 

 

          Writing by タカ  Special Thanks!