Sunshine (27) | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



朝の陽ざしは清々しい。

庭では虎次郎が日向ぼっこ。

最近のショウ君、時々溜め息をつく。

きっと……ノアを思い出してるんだ。

「ね……虎次郎?」

虎次郎は丸くなって寝たまんま。

「ショウ君……寂しいのかなぁ?」

聞いているのかいないのか、虎次郎は身動き一つしない。

「そりゃ……寂しいよね……。」

やっぱり風間君のとこ、行ってみようかな?

うん、そうしよう。

今週末ならショウ君、行けるかな?

おいらは投げ出した足をまっすぐ上げる。

「最近、運動不足だし……猫じゃなく犬?」

子犬だったら虎次郎も気にならないんじゃない?

小さいうちから一緒にいたら、子犬だって虎次郎になつくだろうし……。

ショウ君得意?のフリスビーもできる!

「虎次郎……虎次郎は犬と猫、どっちがいいと思う?」

虎次郎は、ふにっと片目を開ける。

開けても細い目が鋭くおいらを見る。

「あ、やっぱり犬はダメ?」

虎次郎の目が閉じる。

「そっか、やっぱり猫だね……。」

虎次郎に降り注ぐ太陽。

ちょっと暑くなってきた?

そうだ!

虎次郎がいるうちに……。

おいらはスケッチブックと鉛筆を取りに行く。

虎次郎を今度の挿絵に使おうと思って。

新しい仕事は今度シリーズ化する小説の挿絵。

中学生向け?のファンタジーらしいから、

ちょっと柔らかめのタッチで描いて欲しいんだって。

出てくる強面の猫が、実は天使で、主人公と恋に落ちるって話らしいんだけど……。

虎次郎は天使って感じじゃない?

でもおいら、虎次郎が人間だったら、ショウ君の次に好きになっちゃうかも。

あの貫禄とか、頼りがいありそうな感じとか、

めっちゃおいら好みだと思うんだよね?

おいらが鉛筆をサラサラ滑らせると、虎次郎がムクッと起き上がる。

「虎次郎?」

首を傾げるおいらに、虎次郎が小さく鳴き声を上げる。

「え~、モデルになってくれないの?」

虎次郎は何も言わず、空を見上げる。

モデルが嫌だったのか、暑くなってきたのか、虎次郎はゆっさゆっさと体を揺らし、

いつもの生垣に向かう。

「いいもん。ずっと虎次郎見てたんだから!」

おいらはそのまま庭に足を投げ出し、スケッチブックに鉛筆を走らせる。

 

虎次郎は振り向きもせず、生垣に消えていく。

 

お、思い出して描くから!描けるから!

寝ている虎次郎。

片目を開ける虎次郎。

欠伸をする虎次郎……。

あ……、起きてる虎次郎がわかんないっ!

 

だって、いっつも寝てるんだもん!

次は絶対、起きてる虎次郎、ガン見してやる!



夕飯のダイニング。

 

口の端にご飯粒をつけながら、ショウ君が言う。

「生姜焼きってさ、どうしてご飯、何杯でもいけんだろ?」

口いっぱいにご飯を頬張るショウ君を見て、おいらも生姜焼きに箸を入れる。

「ほんと、ご飯が進むよね~。」

「サトシ、もっと食べて。夏バテしちゃうよ?」

「大丈夫。おいら意外と体力あるし。」

「そう言うのが危ないんだよ。今年はほんと暑いんだから!」

モグモグさせながら話すから、ほら、ご飯がショウ君の口からはみ出る。

おいらはそれを指で摘まんでショウ君の口に押し込む。

「んっ。」

「食べるか話すかどっちかにすればいいのに。」

「どっちもしたい。なんなら、ご飯食べながらしゃべって、サトシとエッチもしたい。」

ショウ君がニヤッと笑って、おいらの指を食べる。

おいらは慌てて指を引っ込める。

「できないから!」

「できるかどうか、やってみる?」

ショウ君の顔が悪戯っ子の顔に変わっていく。

本気で、やってもいいよって思ってる顔!

「しなくていいから!」

ショウ君は悪戯っ子の顔のまま、ご飯を口に詰め込んで……。

上目使いがいやらしい。

もう気分はそっちシフト?

おいらは話を変えようと、お新香を口に放り込む。

「そ、そうだ、ショウ君、今週末予定ある?」

「予定?ないけど、おふくろが、たまには顔出せって言ってた。」

「ショウ君のお母さんが?」

「うん、親父がサトシに会いたがってるからって。」

ショウ君のお父さんが……。

最初は反対してたのに、今じゃおいら達の強い味方になってくれてる。

ショウ君が唯一頭の上がらない人。

本人はそう思ってないみたいだけど。

「いいよ?別に行かなくても。親父の我が儘なんて聞いてたら、際限ないんだから。」

んふふ。ショウ君、つい強がっちゃうんだよね。

お父さんのことになると。

だから、ケンカしちゃう。

認めてもらいたい、認めてあげたい、話を聞いて欲しい、話を聞きたい……からね。

「行こ。ショウ君ち。で、行きか帰りに風間君とこ寄ろ。」

「風間って……ペットショップ?」

「うん。なんか、ノア達知っちゃったから……ちょっと寂しくなっちゃって。」

ショウ君、きっと自分からは言わないから。

「サトシが寂しいならいいけど……。俺のこと気にしてるなら、いらないよ?」

「いらない?」

「そういう気遣い。」

「ショウ君……。」

おいらは箸を止め、ショウ君を見つめる。

「俺にはサトシがいるからね。ペットよりずっと可愛いサトシが。」

ニヤッと笑うショウ君。

「ペットなんか飼ったらヤキモチ焼かない?サトシ。」

ニヤニヤするショウ君が、生姜焼きを口に詰め込む。

「ショウ君、相手してくれなくなったって!

 ……それもいいかも?

 ヤキモチ焼くサトシなんて……そそられる!」

「ショウ君っ!」

ヤキモチ焼くのはいっつもショウ君の方じゃん!

そりゃ……おいらだって焼くけどさ……。

ペットは……止めた方がいいのかな?