(朗読する藤沢/上白石萌音)
“夜についてのメモ
「夜明け前が いちばん暗い」
これは
イギリスのことわざだが
人間は 古来から
夜明けに希望を感じる
生き物のようだ
確かに
朝が存在しなければ
あらゆる生命は
誕生しなかっただろう
しかし
夜が存在しなければ
地球の外の世界に
気づくこともできなかっただろう
夜がやって来るから
私たちは 闇の向こうの
とてつもない広がりを
想像することができる
私は しばしば
このまま
ずっと 夜が続いてほしい
永遠に
夜空を眺めていたいと思う
暗闇と静寂が 私を
この世界に つなぎ止めている
どこか
別の町で暮らす誰かは
眠れぬ夜を過ごし
朝が来るのを
待ちわびているかもしれない
しかし そんな人間たちの
感情とは無関係に
この世界は動いている
地球が時速1700キロメートルで
自転しているかぎり
夜も朝も 等しく巡ってくる
そして
地球が時速11万キロメートルで
公転しているかぎり
同じ夜や同じ朝は存在しえない
今 ここにしかない闇と光
全ては移り変わっていく
ひとつの科学的な真実
喜びに満ちた日も
悲しみに沈んだ日も
地球が動き続けるかぎり
必ず終わる
そして
新しい夜明けがやって来る”
(映画『夜明けのすべて』より抜粋)
お気に入りの1本になりました。
こういう映画はずっと観ていられる。
(あっという間に終わってしまう)
…手抜き記事でした