そこから続く頂点までの道のりは
自分一人で切り開くしかない
“料理” から
数学、フィボナッチ数列…
宇宙の真理。
物事を突き詰めていくと、
同じ場所に行き着く
楽しいドラマでした
(渋谷/中村トオル)
俺たちは神じゃない
人間だ
高い所に登れば登るほど
人間は孤独になってく
脇役すら必要なくなる
“孤高” ってやつだ
Ep.1
******
(淡島)
人生において
無駄なんてことは1つもないんだよ
Ep.2
******
(蘭菜/小芝風花)
プロと素人の違いは
いかに おいしい料理を
作れるかだけじゃない
*
(岳/高橋文哉)
いかに 自分の料理を作れるか
どんな食材でも 誰に出す料理でも
最大限のおいしさを
数学をもって引き出す
それが 僕の料理
〈偶然選んだ、イチジクを手にして〉
この “正解” に向かって
解いていく!
*
(海/志尊淳)
自分の料理を作る
そこに たどり着けたことは
褒めてやる
ただ プロってのは
それだけじゃ通用しないんだ
“自分の役割の中で”
自分の料理を作らなくちゃいけない
Ep.4
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(岳)
この料理のように
時代が変われば
物の見方も変わります
常識も変わります
Ep.5
******
(海)
スー・シェフになってからのお前は
新しいレシピを考えなくなった
シェフってのは いつも いつまでも
創造を続けなくちゃいけないんだ
考えることをやめた時
お前は止まったんだ
感じるな考えろ!
シェフなら
Ep.6
******
(岳)
フィボナッチ数列!
黄金比
植物の花びらや種の配列
そしてミロのビーナスや
モナ・リザのような芸術作品
無限に広がる
宇宙の銀河の渦巻きのような
壮大な世界まで・・・
あらゆる場面で姿を現す数
森羅万象の謎に迫る
数学的な美しさ
この花びらは冬の根菜で
1 1 2 3 5 8 13と
フィボナッチ数列にならって
枚数を増やしてあるんだ
さらに根菜の花とアンコウも
1:1.618の比率になるように
盛り付けた
どの角度から見ても
偉大な数学者が見いだした
人類の誰もが美しいと感じる
構図にした
*
(海)
人間は誰かの背中を
追いかけてる時
無我夢中でいられる
その誰かの後ろを
ついていけばいいから楽なんだ
ただ・・・
その誰かがいなくなった時
そこから続く頂点までの道のりは
自分一人で切り開くしかない
圧倒的な孤独だ
(岳)
高みに行けば行くほど
人は孤独になるんですね
(海)
“孤高” ってやつだ
その言葉に
打ち勝つ人間だけが
真理にたどり着ける
俺はそう信じてる
さあ ここからは一人だ 岳
Ep.7
******
(渋谷)
海
この世界を極めたいなら
孤高を突き詰めろ
誰も信じるな
自分のアイデアで
道を切り開いていく世界では
家族も友人も必要ない
全てが甘えになっていく
そのせいで凡庸になっていった
料理人たちを たくさん見てきた
分かるか? “凡庸”
何も優れていない
この世の悪ってことだ
俺すら信じなくていい
分かったな?
Ep.8
******
(岳)
僕は フェルマーとか
広瀬君とか海さんとか
圧倒的な孤独の中に
自分を追い込んで
真理を求める人間になりたかった
どんなことがあっても
挫折なんてしない
強い人間になりたかった
でも
僕は なれなかったよ・・・
(岳の父親)
確かに岳の言うとおり
孤独の中で 答えを
見いだそうとする人間ってのは
ホントに強いんだろうな
でもな 違うぞ 岳
お前の強さは そうじゃない
お前は いつだって
好きなことに熱中して
その楽しんでる姿を見た
友達が 仲間が
いつの間にか集まってきて・・・
そしたら お前は
その人たちを巻き込んで
どんどん大きな力にして・・・
それが岳の強さだ
そんなお前に
憧れた人間もいるはずだ
とっくに強かったんだよ
誰にもなる必要なんてない
お前はお前だ
お前だけの強さがあるんだよ
もう一回 立ち上がれば
いいじゃないか
挫折ができるのも
人生のすばらしさだ
何度だって やり直せる
取り返せる
*
(渋谷)
俺たち料理人はクリエーターだ
孤独を突き詰めてこそ
一流になれる
*
(渋谷)
あいつの病気は
“肉体” だけじゃなく
料理人の “精神” も
むしばみ続けた
*
(海)
誰の手も届かない孤高の境地にいて
異次元の料理を作る人だ
*
(渋谷)
限界なんていうものは
この世に存在しない
料理にも限界はないし
正解とか真理なんていうものも
存在しない
お前たちが作ったハンバーグは
よかった
そして 今 俺が
とっさに作った それも
よかったはずだ
それでいいんじゃないか
パリにいた頃 一度だけ
真理の扉が開いた
そう感じた瞬間があった
でも その扉の先には
まだ続きがあった
扉の先には
また新たな扉があったんだ
そうやって無限に広がっていく
*
(渋谷)
お前は病気になっても なお
料理の世界に戻ってきた
その時点で お前はもう
俺を超えてるんだよ
俺を神と言ってくれるなら
お前は神を超えた
Ep.9
(ドラマ『フェルマーの料理』より抜粋)