(テルコの声)
どうしてだろう?
私は いまだに
田中 守 の恋人ではない
テルちゃん
いい子なんだけどね・・・
うーん
ダラダラと始まった
我がままな “俺様男”
マモル(成田凌)
と
馬鹿な “都合の良い女”
テルコ(岸井ゆきの)の関係。
そんな関係は、
1か月で終わりを告げる。
が、ある日突然テルコは
マモルに呼び出されて再会することになる。
当てつけにマモルは、
すみれ(江口のりこ)という
“がさつな女” を連れて来た・・・
ダラダラをやらせたら、彼らの他に
右に出る者はいない
(ナイスキャスティング)
腐れ縁みたいな、このふたり。
この “気だるい関係” は
一体なんなんだ。
愛がなんだ!
愛って、なんなんだ・・・
(テルコ)
人を好きになるのに
理由なんてある?
好みとか タイプとかって
今まで 好きになった人のことを
結果的に集計したら
そういう傾向があるよってだけで
好きになる瞬間は
ただ好きって気持ちが
一瞬にして生まれるだけ
そこに理由なんてないんだよ
*
(マモル)
俺 山田さん(テルコ)のそういうとこ
ちょっと苦手
そういう5周ぐらい先回りして
変に気ぃ使うとこっていうか
逆自意識過剰っていうか
すみれさん 見習いなよ
あの がさつ女 あいつ
全然気ぃとか使わねえじゃん
俺も そっちのほうが楽だよ
*
(葉子)
あんたのいいところはさ
どんなに どん底ってときも
ちゃんと おなか減って
死にたいとか
冗談でも言わないとこだよね
*
(マモル)
俺ってさ・・・
俺って あんま
かっこよくないじゃん
ずば抜けて
おしゃれとかでもないし
体型とかも なんか貧相だし
優しいかっつったら
そうでもないしさ
金もってるわけでもないし
仕事できるかって言われたら
大したことないし
そりゃあ 自分で ずばり
ダサいとは思いたくないけどさ
世の中の男をかっこいいと
かっこ悪いで 2つに分けたらさ
俺 ぜってえ
かっこ悪いほうだと思うの
でだよ
で・・・ そういう男にさ
なんで山田さんは
親切にするわけ?
(テルコ)
親切?
それはさ・・・
好きだからとか そういう
単純な理由なんじゃないの?
(マモル)
っていうかさ
好きになるようなとこなんて
ないじゃんっていう話なんですけど
(テルコ)
そうだよね 私もそう思う
好きになるようなとこなんて
ないはずなのにね
変だよね
*
(テルコの声)
私の抱えている
マモちゃんへの執着の正体とは
一体 なんなのだろう?
これは もはや 恋ではない
きっと愛でもない
けれど そんなことは
もう とっくに
どうでもよくなっている
(映画『愛がなんだ』より抜粋)
マモル、あんたが無粋だったのね
マモルはどうやら、すみれに
フラれたらしい。
ふたりの行く末って・・・
男と女でさえなければ
事はもっと単純なんだけどね
それじゃあ、学びにならない。
少なくとも
「皆、寂しい生きものなんだ」
ってことは分かったよ。
大好きな作品です