言葉の無能さ

 

言葉の煩わしさ

 

言葉の強さ

 

言葉の美しさ

 

言葉の “限界” を感じた

 

 

 

〈台詞(オーディション)〉

 

(イ・ユナ/韓国手話を訳すユンスの声)

 

“伯父さん

取ったの? モルヒネ

出しなさい

どうして心配させるの?

返して伯父さん

あたしの方が伯父さんより

ずっと不幸かもしれない

それでも

あたしはヤケなんか起こさない

命が自然に最期を迎えるまで

耐え抜くつもり

だから

伯父さんも

自分の人生を耐え抜いて

大切な

たった一人の私の伯父さん

お願い

返して

あたしたちのことを想って

この悲しみを

耐え抜いて”

 

 

〈台詞(本番)〉

 

(イ・ユナ/韓国手話)

 

長い長い日々と

長い夜を

生き抜きましょう

運命が与える試練にも

じっと耐えて

 

安らぎがなくても

今も 年を取ってからも

ほかの人のために

働きましょう

 

そして 最期の時がきたら

大人しく死んで

ゆきましょう

 

そして あの世で

申し上げるの

あたしたちは

苦しみましたって

泣きましたって

つらかったって

 

そうしたら神様は

あたしたちを

憐(あわれ)んでくれるわ

 

そして

伯父さんとあたしは

明るくて すばらしい

夢のような生活を

目にするの

 

あたしたちは嬉しくて

うっとりと

微笑みを浮かべて

この 今の不幸を振り返る

 

そして

ようやくあたしたち

ほっとひと息つくの

 

あたし そう信じてる

強く 心の底から

信じてるの

 

その時が来たら

あたしたち

ゆっくり休みましょうね

 

 

(映画『ドライブ・マイ・カー』より抜粋)

 

 

車

 

 

(おと・主人公の妻/脚本家)の

完結していたとされる

“話の続き” を知っている、と

敢然と語りだす高槻(音を慕う俳優)……

 

 

車中で、

ドライバーと3人になるこのシーン。

 

あの緊迫感!

 

どきどきしましたね~驚き

 

 

イ・ユナが演じる、韓国手話などが

とても印象的で

 

“言葉” というものが

この映画を

位置づけているように感じました。

 

 

 

まじかるクラウン