昨日アップした、

『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』

実力派俳優へと急成長された

(個人的な見解宝石緑

長澤まさみさんは、

見ていてほんと清々しい!

 

彼女(浅川恵那)の

80年代風のファッションや

70年代のサスペンス・ミステリー映画のような

演出も素敵でした。

 

 

走る人

 

 

(浅川恵那の声/女子アナ)

岸本拓郎は

バカなんだろうか

それとも バカみたいに

いいやつってことなんだろうか

よく分からない

 

 

(恵那)

救われたって

言ってもらえたでしょう

そりゃ まだ不安ばっかりだよ

でも本当に これが正しいことなら

勝手に味方はついてくるし

道は開けていくんだよ 多分

 

 

(岸本拓朗の声/若手ディレクター)

気が付けば浅川さんは

何やら スピリチュアルめいた

威厳さえ備え

実際 それからは

別人のように黙々と

やるべきことを

片っ端から片づけていった

 

 

(恵那の声)

意外にも批判は とても少なく

好意的な反応が圧倒的で

 

数字が どうあれ

評判はいいんだから

視聴率なんて ただの数字

ただの数字

ただの・・・

 

 

“おじさんたちの

メンツとプライドは地雷なの”

 

 

(恵那の声)

あらゆるものを

私利私欲で分解し

全て惰性へと溶かし込む

コンポストみたいな

この職場から・・・

自分の仕事を

取り戻してみせますよ 絶対に

 

 

(恵那の声)

脳天から真っ二つに

斬られたような気がした

自分の弱さを

愚かさを 情けなさを

見抜かれたと思った

 

 

(村井/チーフプロデューサー)

あふれる才能ってのは 文字どおり

あふれてくるもんで

自分で止められるやつなんて

いねえ

つまり

それは同時に厄災でもあって

何か大事なもんを

人生から押し流しちまうことも

ままある

 

 

(村井)

男が嫌みを

言ってくる時ってのはな

寂しい時なんだよ

 

じゃあ・・・

男が泣いてる時っていうのは

何でか分かるか?

寂しい時だよ

 

 

(岸本)

当たり障りのないことだけ

やってたいってことっすか?

 

自分たちの立場を

損ねないためだけの努力を

勝手に堅実で丁寧だとか

呼んでれば

 

なるほど

村井さんが クソみてえな報道と

くさすわけですよ

 

 

(恵那の声)

会社は今日も回り続ける

善玉も悪玉も一緒くたに

ただ絶え間なく

循環させながら

摂取と排せつを繰り返す

まるで私たちの体みたいに

 

 

(恵那の声)

何事もなかったかのように

今日も活動をし続ける会社の

その体内に残った私は

善玉なんだろうか

悪玉なんだろうか

 

 

(恵那の声)

体が また壊れつつある

でも そのことを

私は どこかで喜んでいる気がする

善玉も悪玉も本当はないように

私の病気は

私の希望なのかもしれない

いっそ 木っ端みじんに

壊れてしまえばいいと

本当は 私自身が

願っているのかもしれない

 

 

(恵那)

希望って

誰かを信じられるってことなんだね

 

岸本君

ありがとう

今日まで いつも・・・

目の前にいてくれて

君がいてくれたから 私

今日まで やってこれたんだね

 

 

(恵那の声)

何てバカなんだろう

何をやってたんだろう

これまで出会った誰もが

ずっと私に教え続けて

くれていたじゃないか

信じ合えないことの苦しみと

信じ合えることの喜びを

希望がないなんて

もう二度と言わない

 

 

(斎藤/恵那の元彼)

約束する 時間をくれ

俺に しかるべき力がついた時には

今日 君が言ったことに

必ず応えてみせる

今日の君のとも 俺のとも違う

より建設的で より有効的な方法を

必ず見いだしてみせる!

君もそうだし 俺もまた

この国という体の

小さな細胞の1つなんだ

膨大な全体に対して1人が1日で

できることは限られてる

一つ一つ

やっていくしかないんだ

末期がん患者の免疫細胞だって

きっと そう思いながら

毎日 仕事をしていると思う

 

 

(岸本の声)

“これから君はどうするの?”

と 浅川さんに聞かれて・・・

 

“正しいことがしたいです”

って答えた

 

そしたら浅川さんは言った

“あのね 岸本君

どっちが善玉で

どっちが悪玉とか

ほんとは ないらしい

この世に

本当に正しいことなんて

多分ないんだよ”

 

“マ・・・ マジっすか?

じゃあ 僕は

どうすればいいんですかね”

って聞いたら

 

“だから

正しいことをするのは諦めて

代わりに

夢をみることにしようよ”

と 浅川さんは言った

 

“そっか”と思ったけど

一体 どんな夢をみればいいのかが

僕には まだ分からない

 

 

(ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』より抜粋)