昨日アップした、
『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』で
実力派俳優へと急成長された
(個人的な見解)
長澤まさみさんは、
見ていてほんと清々しい!
彼女(浅川恵那)の
80年代風のファッションや
70年代のサスペンス・ミステリー映画のような
演出も素敵でした。
(浅川恵那の声/女子アナ)
岸本拓郎は
バカなんだろうか
それとも バカみたいに
いいやつってことなんだろうか
よく分からない
*
(恵那)
救われたって
言ってもらえたでしょう
そりゃ まだ不安ばっかりだよ
でも本当に これが正しいことなら
勝手に味方はついてくるし
道は開けていくんだよ 多分
*
(岸本拓朗の声/若手ディレクター)
気が付けば浅川さんは
何やら スピリチュアルめいた
威厳さえ備え
実際 それからは
別人のように黙々と
やるべきことを
片っ端から片づけていった
*
(恵那の声)
意外にも批判は とても少なく
好意的な反応が圧倒的で
数字が どうあれ
評判はいいんだから
視聴率なんて ただの数字
ただの数字
ただの・・・
*
“おじさんたちの
メンツとプライドは地雷なの”
*
(恵那の声)
あらゆるものを
私利私欲で分解し
全て惰性へと溶かし込む
コンポストみたいな
この職場から・・・
自分の仕事を
取り戻してみせますよ 絶対に
*
(恵那の声)
脳天から真っ二つに
斬られたような気がした
自分の弱さを
愚かさを 情けなさを
見抜かれたと思った
*
(村井/チーフプロデューサー)
あふれる才能ってのは 文字どおり
あふれてくるもんで
自分で止められるやつなんて
いねえ
つまり
それは同時に厄災でもあって
何か大事なもんを
人生から押し流しちまうことも
ままある
*
(村井)
男が嫌みを
言ってくる時ってのはな
寂しい時なんだよ
じゃあ・・・
男が泣いてる時っていうのは
何でか分かるか?
寂しい時だよ
*
(岸本)
当たり障りのないことだけ
やってたいってことっすか?
自分たちの立場を
損ねないためだけの努力を
勝手に堅実で丁寧だとか
呼んでれば
なるほど
村井さんが クソみてえな報道と
くさすわけですよ
*
(恵那の声)
会社は今日も回り続ける
善玉も悪玉も一緒くたに
ただ絶え間なく
循環させながら
摂取と排せつを繰り返す
まるで私たちの体みたいに
*
(恵那の声)
何事もなかったかのように
今日も活動をし続ける会社の
その体内に残った私は
善玉なんだろうか
悪玉なんだろうか
*
(恵那の声)
体が また壊れつつある
でも そのことを
私は どこかで喜んでいる気がする
善玉も悪玉も本当はないように
私の病気は
私の希望なのかもしれない
いっそ 木っ端みじんに
壊れてしまえばいいと
本当は 私自身が
願っているのかもしれない
*
(恵那)
希望って
誰かを信じられるってことなんだね
岸本君
ありがとう
今日まで いつも・・・
目の前にいてくれて
君がいてくれたから 私
今日まで やってこれたんだね
*
(恵那の声)
何てバカなんだろう
何をやってたんだろう
これまで出会った誰もが
ずっと私に教え続けて
くれていたじゃないか
信じ合えないことの苦しみと
信じ合えることの喜びを
希望がないなんて
もう二度と言わない
*
(斎藤/恵那の元彼)
約束する 時間をくれ
俺に しかるべき力がついた時には
今日 君が言ったことに
必ず応えてみせる
今日の君のとも 俺のとも違う
より建設的で より有効的な方法を
必ず見いだしてみせる!
君もそうだし 俺もまた
この国という体の
小さな細胞の1つなんだ
膨大な全体に対して1人が1日で
できることは限られてる
一つ一つ
やっていくしかないんだ
末期がん患者の免疫細胞だって
きっと そう思いながら
毎日 仕事をしていると思う
*
(岸本の声)
“これから君はどうするの?”
と 浅川さんに聞かれて・・・
“正しいことがしたいです”
って答えた
そしたら浅川さんは言った
“あのね 岸本君
どっちが善玉で
どっちが悪玉とか
ほんとは ないらしい
この世に
本当に正しいことなんて
多分ないんだよ”
“マ・・・ マジっすか?
じゃあ 僕は
どうすればいいんですかね”
って聞いたら
“だから
正しいことをするのは諦めて
代わりに
夢をみることにしようよ”
と 浅川さんは言った
“そっか”と思ったけど
一体 どんな夢をみればいいのかが
僕には まだ分からない
(ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』より抜粋)