落ち着いた色彩。
まるで自分も一緒に、パリの街を
歩いているかのような
カメラワークがすごく好き♡
(揺れないしね)
一夜限りの、輝かしい恋
(前作『恋人までの距離』〈1995〉)
あれから
9年の時を経て、パリで再会を果たす
ジェシー
(イーサン・ホーク)
と
セリーヌ
(ジュリー・デルピー)
本音を隠し、冗談を交わしていく2人。
別れの時間が迫ってくると同時に
隠し通せない、積年の想いが溢れ出します。
本心を探り合う、ジェシーとセリーヌ・・・
時間はどんどん迫ってきます。
(セリーヌ)
それでも
(ニューヨークに)
留学してよかった
懐かしいわ
(ジェシー)
何が?
(セリーヌ)
人々の感じのよさとか
たとえ上辺だけでもね
“調子は?” “最高 君は?”
“最高”
“いい一日を!”
なんてね
パリの人って気難しいの
*
(セリーヌ)
世界をよくする力のある
献身的な人たちには
リーダーになる野心がないの
上辺だけの名誉や
有名になることなんて
関心ないのよ
ただ人助けを楽しんで
今を生きてるの
*
(ジェシー)
仏教は こう説いてる
“欲を捨え去れば
満たされてると分かる”
*
(ジェシー)
人生は厳しくなきゃ
人間は苦しんで学ぶのさ
*
(ジェシー)
誰にも何も強要しない
ただ神と共に平和に暮らし
死んでいこうとしてる
心が洗われたよ
ほとんどの人は
上を目指して頑張ってる
稼ぎたいとか
尊敬されたいとか
そういうのって疲れるよ
*
(ジェシー)
生きてる限り
思い出は変えられる
*
(セリーヌ)
アインシュタインの
名言で
こんなのがあるの
“奇跡を信じない者は
死人も同じ” って
(ジェシー)
いいね
宇宙には霊的な何かがあると
僕は思ってた
でも最近 感じるのは
この世での僕は
永遠じゃないってことだ
そう考えると
適当に人生を送るなんて
できなくなる
今がすべてだ
今 何が楽しくて
何が重要か
毎日が “最後” だよ
*
(セリーヌ)
忘れられなくなる
人は それぞれ
美しくて特別なものだから
*
(ジェシー)
本を書いた本当の理由を
知りたい?
君を見つけたくて書いたんだ
*
(セリーヌ)
物事は起こるべくして
起こってるの
*
(ジェシー)
誰と結婚するかは
そう重要な問題じゃない
誰としても不満は残る
むしろ結婚とは覚悟を決め
それを貫き通すことが
大事なんだ
愛とは つまり
尊敬や信頼や賞賛だろ?
それは感じてる
今は保育園をやってる感じさ
昔 デートした相手とね
まるで修道士だよ
*
(ジェシー)
妻には幸せになってほしい
彼女には その資格がある
でも僕たちは
義理で結婚生活を送り
道理から外れまいと
もがいてる
*
(ジェシー)
何かが間違ってる
このままじゃダメだ
愛には義務を果たす以上の
何かがあるはず
*
(セリーヌ)
人って自分だけが つらいと
思い込んでる
*
(セリーヌ)
飛行機に乗り遅れるわよ
(ジェシー)
分かってる
(映画『ビフォア・サンセット』より抜粋)