前剱からの展望。ここまで登るのも一苦労でしたが・・・。
前剱は、第一関門に過ぎませんでした。本当の試練は、ここから始まります。
試練その1、前剱の門手前の岩峰。
足元には、長さ4メートルの鉄橋。
畳の縁ほどの足場を東大谷側へトラバースします。手がかりが少ないので、張り巡らされた鎖だけが頼りです。まだ岩場に慣れていなかったせいか、とても緊張しました。
横移動の後は、今度は鎖を伝って20メートル下降。下りたところが、前剱の門と呼ばれる鞍部です。
難所を抜けて、ほっと一息。しかし、試練は、まだまだ続くのです。
試練その2、平蔵の頭。写真に見えている鎖は、実は下りルートでした。間違えて、てっぺんまで登って、おかげで引き返す羽目に・・・。
正解は、こちら。鎖を掴み、鉄の杭を足場に右上していきます。
登ったと思ったら、今度は、20メートルの急降下。ここでは、登りと下りのルートが交差しますが、登りは頭から下って、下りは頭へと登るのだから、なんともややこしいですね。
平蔵の頭を無事通過して、振り返って見たところ。よく見ると鎖に掴まって降りてくる2人以外に平蔵の頭のてっぺんに座っている人がいますね。なんだか凄い光景です。
そして、剱岳と言えば・・・。
試練その3、カニのたてばい。もはや手がかりや足場となるホールドすらない垂直に近い50メートルほどの岩壁を登らなければなりません。
もうここまで来ると、何が出てきても驚かなくなりました。足の置き場所が見つからなくて、少し焦った場面もありましたが、なんとかカニのタテバイを通過。そして、最後のガレ場を抜けると・・・。
8月8日、7時26分、ついに剱岳山頂に到着!
山頂は、360度の大パノラマ。圧倒的なスケールです。
まさにカミソリの様な八ツ峰。
そして、北方稜線の山々。
祠の前で記念写真。これで15座目の百名山です。山頂には、他に5,6人の登山者がいましたが、皆で写真を撮り合い、困難を乗り越えて登頂を果たした喜びを分かち合っていました。
それぞれの山をじっくりと見ていきましょう。白馬岳は、すぐに分かりますよね。
針の木岳の向こう、八ヶ岳と南アルプスの間にお馴染みのシルエットが。どんなに離れていても富士山の姿は、はっきり分かりますね。
立山三山を縦走した去年のことを思い出します。あの時は、別山から剱岳を眺めることしかできませんでしたが、今こうして、剱の頂に立っていることを思うと感無量です。
そうそう大日三山も縦走しましたっけ。天気もいいから白山も見えます。
剱岳から見た地獄谷と天狗平。できることなら、いつまでも絶景を眺めていたいなぁ。しかし、今回の山行は、1泊2日の強行軍。最低でも11時には剱沢に戻らなくてはなりません。山頂で30分ほど過ごした後、下山することにしました。登り以上に険しい岩山を無事下ることができるのでしょうか?次回に続く。