今回は
ドラッカーは、2003年に出版した"Managing in the Next Society" が
日本で1999年3月に先行発売された
「明日を支配するもの」を取り上げる
ドラッカーは、1919年11月生まれだから、79歳という高齢に
書いた本である
冒頭におかれた「日本の読者へ」で
「今日の転換期は日本にとって、特に大きな意味がある・・・ 中略
私は、21世紀の日本が、あの日本に特有の社会的調和「和」を発展させて
行くことを願う。「和」の精神こそ、この50年間に日本を築きあげた方々
、私が40年年前の初訪日以来親しくさせていただいた方々と、その同僚の
方々の偉業だった」
と今の日本社会が明日に向かって立ち上がるための重要なヒントを示しています
本書に入って、
「これからの時代にあって、確実なものが五つある。
いずれも、今日の経営戦略が前提としているものとは異なる。
そもぞも経済に関わるものではない。社会と政治に関わるものである
それは、次の五つである」
第2章「経営戦略の前提が変わる」◎21世紀の現実
として、4番目に「グローバル競争の激化」を説いています
さらに、グローバル競争の激化で示したのが保護主義の波として
「今後数十年にわたって、保護主義の波が世界を覆うことになる。
なぜならば、乱気流の時代における最初の反応は、外界の冷たい風
から自らの庭を守るための壁つくりと相場が決まっているからである。
とはいえ、グローバルな水準に達しえない組織、特に企業は、何を
もってしても、保護しきることはできない。さらに弱くなるだけの
事である。」(「明日を支配するもの」第2章第4節)
と、まるで、トランプ大統領が起こした保護主義の大津波のことを
予見していたかのような内容でないでしょうか
そして日本について
「同じように日本も、金利の減免等によりいくつかの産業を輸出
産業として育てる一方で、多くの産業を外国の競争から守ってきた
この政策も、ついに失敗した、今日の経済危機も、いくつかの産業と
金融に競争力をつけることに失敗したことに大きな原因があった。」
と断言しています
そして、この章の最後では
「経営戦略の前提とすべきもの
本章で述べた21世紀の現実を認識しえたからといって、組織が行う
げきことが自動的に明らかになるというわけではない。それをいかに
行うべきかなどは、さらに明らかにしようがない
しかしそれらの認識は、それぞれの組織が、自らの経営戦略を
考えるにあたって答えるべき問いは明らかにする。しかもそれらの
問いは、経営戦略を考えるにあたって、ほとんど検討されていない
ものである。
本章で述べた21世紀の現実を検討することなくして、経営戦略を
もつことなどは不可能である。今後、数十年どころか、今後数年の
うちに顕在化してくるにちがいない諸々の問題に対し、準備する
ことは不可能である。それらの問題に対処しえない限り、この乱
気流の時代、構造変化の時代、経済、仕事、政治、技術の転換期に
あっては、いかなる組織といえども、繁栄することはもちろん、
生き残ることさえもできない」
と驚くことに四半世紀も前に警鐘を鳴らしているのである
さて、明らかになった「自らの経営戦略を考えるにあたって答えるべき問い」
とは?
ドラッカーは
「戦略的な意思決定で重要なことは、正しい答えを見つけることではない。
正しい問いを探すことである。
間違った問いに対する正しい答えほど、役に立たないものはない。」と
説いているよう
どうも、これまでの日本は、間違った問いに対する正しい答えと考えて
行動してきたことが
「同じように日本も、金利の減免等によりいくつかの産業を輸出
産業として育てる一方で、多くの産業を外国の競争から守ってきた
この政策も、ついに失敗した、今日の経済危機も、いくつかの産業と
金融に競争力をつけることに失敗したことに大きな原因があった。」
というドラッカーの指摘を甘んじて受けざる得ないのであろうか
ここまで来て。ドラッカーが冒頭の「日本の読者へ」で
「今日の転換期は日本にとって、特に大きな意味がある・・・ 中略
私は、21世紀の日本が、あの日本に特有の社会的調和「和」を発展させて
行くことを願う。「和」の精神こそ、この50年間に日本を築きあげた方々
、私が40年年前の初訪日以来親しくさせていただいた方々と、その同僚の
方々の偉業だった」
と今の日本社会が明日に向かって立ち上がるためのヒントに焦点
を当ててみたい
ドラッカーは「日本の読者へ」の冒頭で、このような現実を招いた
要因のヒントも示している
「私はこれまで、「世界史」を生み出したものは日本の明治維新だったと
繰り返し言ってきた、それまでの世界史は、西洋の歴史、特にその覇権の
歴史だった。そして、今日の「世界経済」を生み出したものが、最近に
おける経済大国としての日本の興隆だった」
しかし、
「ところが、この事実が・・・・中略・・・・日本は戦後の50年間に、
これらのものすべてを生みました」
明治維新は、それまで鎖国政策という自国保護のための壁を、世界の
覇権の歴史の津波を防御するため、その壁を自らが崩壊して、日本を
守り、近代社会と近代経済に必要な制度と政策を作り上げたという
達成感に安堵して、さらに大きな今日の転換期に向けた、正しい問い
をしてこなかったのが要因であるとしている
そして「明日を支配するもの」は
第3章「明日をかえるのは誰か」◎チェンジ・リーダー
の正しい問いの扉に進んでいる
同章は
「変化はコントロールできない。その先頭に立つだけである」
で始まり
「成功への道は、自らの手で未来をつくることによってのみ開ける
もちろん、自らがもたらす変化と言えども、現実に沿ったもので
なければならない。だが、新しい現実という制約のもとにあって
未来は生み出せる。つくり出せる。
自ら未来をつくることにはリスクが伴う。自ら未来をつくろうと
しないほうが、リスクは大きい。当然のことながら、本章で述べた
ことを実行しても成功するとは限らない。だが、本章で述べたことを
実行しないで成功することはない。」
と締めくくっています
乱気流の時代に合って、旧態依然の日本の政治も、必要な正しい問い
に向き合わず、変わって欲しくない現実という虚構を守るという
「保守政治」主体のあり方に、日本国民もようやく変化の先頭に
立つために一票を投じるという形で未来を拓こうという意識が
芽生え始めています
ブログのタイトルで
保護主義の大津波から日本を復興させるのは「響力経済」か
「響力経済」という造語を使いましたが
「響力経済」とは、分かち合いと贈与を軸にした、共鳴によって価値が
生まれる経済、政治のかたちです
ドラッカーのヒントとする社会的な調和「和」を発展させる」こと
つまり、この「意識」を、日本国の経済や政治の世界に「響かせる力」で
保護主義の大津波から日本を復興させるには?
という問いを考えなければならないのではないでしょうか?
このような明日の未来をつくるチェンジリーダーになるために
「ドラッカーのマネジメント読書塾」を下記のページの内容で
開催しています
いつも、塾員を募集していますので、「響力」を磨いていきましょう

