SL銀河に賢治の世界 釜石線・蒸気機関車の試乗会

 JR東日本は2日、復興支援として4月12日から釜石線(花巻-釜石間、90・2キロ)で定期運行する蒸気機関車「SL銀河」の報道向け試乗会を行った。宮沢賢治の世界観を表した客車内は落ち着いた雰囲気で、高級感も漂う。釜石駅から遠野駅まで同乗し、約40年ぶりに復活するSLを体感した。(報道部・三浦隆博)

 午前9時すぎ、釜石駅の検修庫で作業員がSLの炭水車に石炭と水を補給。同駅ホームで待機する客車と連結し、午前11時、客車内にも響き渡る大きな汽笛の音とともにゆっくりと走りだした。

 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をイメージした客室は、2人ずつ向かい合うボックスシート。内装は茶色や赤色が基調で、窓の上のステンドグラスは高級感を醸し出す。

 車内に多数ある賢治ギャラリーには、賢治の人となりや水彩画などのパネル。花巻-釜石間の約4時間半、数多く用意された賢治作品を手に取ることもでき飽きることがない。

 復興への思いを乗せて沿岸被災地に向けて走るSL。JR東日本運輸車両部の照井英之次長は「SLに国内外の多くの方が乗ることで、復興の支援につながれば」と期待する。