『象徴としての円』マンフレート・ルルカー

その七


【小児の体験世界と造形世界】で、ルルカーはこうも言う。

─太陽と仲良しになることが子供のもっとも重要な体験のひとつとなる。太陽は万物の上に浮かび、万物に光と生命を贈る大きな円であり、だから、太陽は子供にもっとも好まれる絵のモチーフとなり、ある時はたんに天体の模写として、ある時は装飾的な意味をもつものとして、あるいはまた──殊に幼い頃には──象徴として描かれる。天空の大きな円盤(大きな球)は脅迫的な存在として解釈されることもあれば、友好的な存在として解釈されることもある。善と悪の様々な力が太陽という形象において具現化されるのである。子供の絵に出てくる太陽は、しばしば擬人化され、万有のうえに立つ支配的人物となり、あるいは、欲求や希望や不安の表現となり、あるいは家族の中の有力な人物やその人物とそれを描く子供との関係の象徴となる。

─子供や子供の成長にとって、遊びは特別の意味をもつ。

─子供の踊りのモチーフは大部分は婚礼と救済であり、したがって旋回する子供たちの円はそれらの模倣による対立の止揚を意味する。

─円形を描きながら小児は、そして後に少年少女たちは(ある意味で上位に位置する)中心の存在に眼を向けることを知る。