無駄・非効率
とりあえず、教室会議も終わりスタッフの脆弱さに危機感を覚えながらも、あたしは講師としての授業もこなすことになった。が授業の内容とか生徒一人ひとりの状況を話してもつまらないので割愛。その代わりいろいろなシステム?に目のつくものがありそれを一つひとつ片付けていくことにした。
「軍司先生、授業日報ってある?」
自分が担当することになるクラスの前任者に聞く。
「えーあんまり役に立たないですよ」
と言いながら彼は自分の机の引き出しからごそごそと紙を大量に引き出してきた。
えぇぇ!!日報管理簿みたいのないの!?
出された紙には授業日報と表紙にかかれているが、ミミズの這ったような跡がある。
「これ字汚いし、あんまり役に立たないですよ」
と言われ生徒状況を口頭で伝えられる。
「あのさ、この授業日報って先生が自分で保管してるの?」
「そうですねえ」
「管理簿みたいのにファイルはしてないんだ??」
「そういうのはないです」
「じゃあ、同じクラスで他の教科の担当者が書いた日報って他の先生は自由に閲覧できないんだ??」
「そうですねえ。各自保管してるんで」
「あんまり意味ないじゃん」
「意味ないです」
じゃあ、なんで書いてるのっ!!
「授業の報告とかは教室長に毎日しないの?」
「しないです。なんか問題があったら言いますけど」
しないのかっっ!!!
即座に授業日報管理簿を学年別に作らせる。
「川崎先生、親との面談状況とか電話でのやり取りを記録した面談記録みたいのはある??」
「ないですねえ」
えぇぇ!!面談しても情報が共有できないじゃん!!
「じゃあ、面談とかしないの?」
「しますけど、各自が自分のノートにメモ書きとかしてます」
「。。。。」
即座に面談記録簿を作成。
突然、おばさんが玄関に出現。生徒の親かと思い
「こんにちわ」
と挨拶。
「朝日新聞の集金にきましたぁ~」
「おいくらですか??」
「3000円です」
とりあえず払っておく。
ふと思って聞いた。
「三宅室長、あのさあ~この朝日小学生新聞ってさ、誰か読んでるの??」
「んー誰も読んでませんねぇ」
じゃあ、必要ないじゃん!!
即座に清水さんに電話。
「清水さんっ。朝日新聞の集金がきたんですけど、小学生新聞って誰も活用してないみたいなんですけど、止めちゃダメですか??」
「あー必要ないなら止めてもいいですよ」
えぇぇ!!そんなに簡単でいいの!?
「わかりました」
返す刀で朝日新聞のお店に電話。
「あのー今月で新聞購読打ち切りますんで」
コマ割りになにやら赤字で欠席マークを生徒の名前のところにつけている三宅室長。透明ビニルからコマ割を引っ張り出して書き、またビニルにしまっている。そんなことが毎日繰り返されている。
「三宅室長、それ出したり入れたりめんどくないですか??」
「そおなのぉ~めんどうぉ~」
ととても困った顔。
「じゃあ、横長のフラットファイルかバインダー式のファイルに変えたらいいのに。何かビニルに入れる意味あるんですか?」
「特にないと思うょ」
即座にバインダー式ファイルに変更。
月一回家庭に送付する郵便物。宛名をラベルシートで貼るまでは良かった。その後、切手を一枚一枚封筒に貼っている清水さん。
「それ毎月切手を一枚一枚貼ってるんですか??」
「そうです」
「郵便局に行ってまとめてだせば切手貼らなくていいんじゃないですか??」
「そうです」
「じゃあ、めんどうだからそうしましょうよ」
「そうしましょう」
どう考えても非効率な出来事が多すぎる。もっと頭使って考えようよ。