母が倒れたのは2月の寒い日だった。
大学病院、最初の回復期病院、そして今のリハビリ病院で母は春を迎えていた。
そんなある日、リハビリ担当者から電話があった。
「本来なら病院に来て頂き、リハビリの様子を見学してもらって、経過報告をさせてもらうのですが...」
とのことだったが、コロナ禍で面会が出来ないことと、遠方であることから、電話で母の様子を説明してくれた。
母はリハビリを頑張っていて、ベットでの起き上がり、身支度などは自力で出来るようになってきたとのこと。
でも、体力がなく、疲れやすく、時々、出来るのに
「起き上がれないから起こして」
と言う時もあるらしい(おい、おい💦)
あと、
「リハビリに行きますよ」
と迎えに行ったら
「今日はお休みします」
と布団をかぶっていることも😅
でも、看護師さんが
「あら、リハビリの人がせっかく迎えに来てくれたのに」
と言ったりすると
「そうね、それは悪いわね、じゃあ、行きましょうか」
と言って、頑張ってくれるとのこと😅
トイレのリハビリもしてくれていて、声かけしてトイレに連れて行ったり、本人から尿意を伝えられて連れて行ったりするが、まだ失敗も多いという。
それでも、トイレに連れて行ってくれていると聞き、嬉しく思った。
そして最後にリハビリ担当者は
「衣類についてなんですが...」
と切り出した。
「冬物なので、衣替えをしてもらいたいのですが」
「え?」
病院は割合に室温が一定なので、私の中で衣替えのことは抜け落ちていた。
「ズボンが今三本ありますが、一本はあきらかに厚地なので、急に薄くならなくてもいいですが、普通の物をあと一本お願いできますか。」
「それと、上に着る物は、腕が出るのは高齢者の方は嫌がるようなので、半袖ではなく、七部か五部の袖丈で、調節できるように長袖の薄手のカーディガンを2枚ほどお願いします」
「病院内にいると、それじゃなくても季節感がなくなってしまうので、衣類でも季節を感じてもらいたいのです。」
ということだった。
この時、プロは違うな、と感心してしまった。
確かに、認知症になってくると、季節感がおかしくなってくる。
夏なのに厚地の物を着ていたり、
高齢者あるあるではないかな。
でも、この病院のように考える所って、なかなかないってことを後から知ることになるけど...。
ただ...この時期、東京はコロナ感染者が増え始めて、デパートなどが閉まり出し、近所のお店もシャッターをおろし、衣料品の購入が難しくなっていて、困ってしまった。
おまけに母のサイズはSサイズで、これも選択の幅を狭めていた。
結局、通販で早く届く所で、母は普段着ないようなものだけど、仕方がない、オーソドックスなポロシャツなどで何とかしのいだけれど、おしゃれな母は少し気に入らなかったのかもしれない。
後で話した時に
「私、変な服しかないの」
と言っていたから😅
ごめんねー、それ私が送ったやつですー😭
(つづく)