子どもたちにわかりやすく教えてくれた、石沢先生からのレポートです。


今日は、慣行栽培(一般的な農薬&除草剤使用)の田んぼと、苫米地さんの無農薬栽培の田んぼの違いを生き物を通して実際に観察して見比べてみましょう。



 まずは、お隣の慣行栽培の田んぼには、どんな生き物がどれほどいるかよ~く目を凝らして観察開始です。

水中にはミジンコが、水面にはアメンボが数匹見られます。一匹だけクモが苗に巣をかけていました。

がんばって生き物を探しましたがあとはガガンボがいるだけで、子供たちの目を輝かさせる生き物はあまり見られません。


 次は畦一つ隔てた天手子米を育む苫米地さんの田んぼを観察しました。すると・・・!!

「うわぁっ!?」と、どよめきが。

$愛情いっぱい!苫米地ヤス子の天手子米日記-kansatu


 ミジンコは先ほどの田んぼにもいましたが数が違います。数えきれません。目を凝らせば凝らすほど無数の多種多様な生き物が水の中にうごめいています。5mmから10mm程のゲンゴロウの仲間やイトトンボのヤゴ。緑色をしたヒルや、大きなタニシ。目のいい人は目がいい分だけの生き物が見て楽しめます。


水面には落ちたガにアメンボが群がっています。マツモムシはアメンボと餌の取り合いをしています。

イトトンボの仲間のオツネントンボは茶色で地味な姿をしていますが、成虫のまま冬を越す変わったトンボで、やっと暖かくなってきた今、卵を産んでいいるまっ最中。

$愛情いっぱい!苫米地ヤス子の天手子米日記-オツネントンボ


このふさふさした藻は、タヌキモといって、植物なのにミジンコなどのプランクトンを食べてしまう食虫植物です。タヌキモも全国的に見られなくなってしまった水草の一つです。
$愛情いっぱい!苫米地ヤス子の天手子米日記-タヌキモミズオオバコ


そして苫米地さんの田んぼには県内でも少なくなってしまったモートンイトトンボが毎年大発生して驚かされますが、コオイムシの多さも、それ以上にびっくりさせられます。

$愛情いっぱい!苫米地ヤス子の天手子米日記-コオイムシ


コオイムシはその名の通り背中に卵を背負って(しかもオスが)孵化するまで守る、とても変わった生態を持つ水生昆虫です。タガメやミズカマキリの親戚ですが近年その数は激減し、
環境省が絶滅の恐れがある生き物として準絶滅危惧種に指定するほどです。

たった2~3メートルの範囲で数匹が水面へ呼吸をするため現れては潜っています。一体一枚の田んぼに何百匹いる事でしょう。これは本当にスゴイ事なんです。

夏の夜にはヘイケボタルも飛び交います。


もっと観察したいところですが除草作業もあるのでここまでにしましょう。