去る9月2日に茨城県はつくばの高エネルギー加速器研究機構で一般公開が行われた。
私も説明担当の一人として駆り出されていたし、実はこれまで一度たりとも一般公開を回ることができなかったのだが、今回についてはシフトの合間に他を見学してきた。
と、いうわけなのだが、とある人が言ってたことを思い出す。
「ところでここは何をやってる研究所で、何をみせてくれるのかよくわからん」
と。
確かに「加速器」というのは何らかのきっかけがあって調べることがなければ知られない巨大装置で、正直見学したところで
「うわぁ、でっかいなぁ」
っていう感想にしかならないような代物、という面が否めない。(そういう感想にしかならない人が多数いてもおかしくない)
その上でスローガン?は
「"知りたい"が加速する」
抽象的過ぎて知らない人が関わるのはちょっと厳しそうな感じがある。
というせいかはしらないけれど、来場者の方と話をすると多かれ少なかれ「知ってる」のである。
見てきた企画を並べると
・測定器開発室
・科学おもちゃで遊ぼう
・レトロな粒子加速器
・電波でひもとく宇宙の歴史
・SuperKEKB加速器
の5つだろうか。
ここの一般公開、企画を見ると殊の外いろいろな(悪くいえば雑多な)企画がある。
「研究所が何やってるのかを説明する」企画から、「科学にふれあう」系の企画まである。
サイエンスコミュニケーションと呼ばれる活動はその実多様なもので、「アウトリーチ」(研究内容・成果を公表・説明する)から「科学に触れ合う」小学校理科や小学生向け体験イベントを実施する類のもの(科学に敷居を感じさせないようにする)など、少しずつ趣旨が違ったものがあって、一般公開企画を見るとそれらが入り混じっている感じがある。
特に加速器という巨大装置になると細かいところで専門が分岐して、専門家でさえ互いにそれほど詳細までは知らない状況になっている。まして非専門家に対して専門の人が自分の専門だけ「ドヤー」って喋っても何これ?ってならざるを得ない。
企画の多様性がそのような問題をいくらか和らげている感じもある。実際、緩そうな企画も加速器科学としっかり関連づいているところもある。(もう少し俯瞰的なのないのかなぁ、時間的制約から無理かなぁ?、とはおもうが。)
とりあえずクラスタリングしてほしい気がする。
ということでクラスタリング案をかんがえてみた。
(1)加速器施設見学
(2)測定関連展示と説明
(3)加速器を支える研究、活動について
(4)加速器でわかること
(※加速器から得られるデータで研究を行っているグループ)
(5)KEKの関わる加速器プロジェクト
(※J-PARC, ATLAS, ILCあたりを念頭に)
(6)KEKの関わる先端研究
(※(4)、(5)に該当しない、理論やCMBあたりの研究)
(7)原理から楽しく学べる企画
(8)その他
だろうか。
「全体俯瞰的な解説付きのツアー」があってもいいのかなぁ
一般目線だと「ちょっとディープな科学体験」のできるイベント、という感じなのかなぁ。