この前のチェレンコフ光のブログ記事で書いたときにチェレンコフ光の記事は英語版ウィキペディアでも充実していると書いたけれども、日本語版の記事を充実させてみました。

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%3D%E3%82%BF%E3%83%A0%E3%81%AE%E5%85%AC%E5%BC%8F&oldid=69304232

 

もともと英語版を和訳しただけなので、構成とかはほとんど何も考えずに作ることができました。

 

みてわかる感じですが、そこまで学習していない人向けに補足します。

まず、マクスウェル方程式から、電磁波が発生する現象を計算する場合の扱い方として、常套手段として、場に対する方程式から、電磁ポテンシャルに対する式に改め、そこに物質の分布の情報として、電荷と電流を代入し、「遅延グリーン関数」を用いて計算するということがありますが、例に漏れず、その式にします。

通常の電磁ポテンシャルと物質絡みの等式とは違った形になるのは媒質中の電磁気学だからで、DとE、BとHの間はよくいう「線型的な物質」を仮定して、誘電率と透磁率でそれぞれを結びつけて計算しなくてはならないからなのですが、

とはいっても、有効的にこのような、通常の真空中の放射の式とほとんど同じ形の式にすることができます。

 

その上で、電荷電流の分布として、等速直線運動する荷電粒子を考えます。

 

荷電粒子が周りの電場に与える影響は通常「クーロンの法則」と呼ばれますが、チェレンコフ光の発生原理はクーロンの法則が基本です。

 

つまるところ、クーロンの法則はフーリエ変換によって波の重ね合わせと考えることが一応できるのですが、遅延グリーン関数を使って考えることは、この波が、粒子から時々刻々出てくるものだ、というアイデアになります(ということは明確にはわからないかもしれませんが)

 

そして、時々刻々の出てくる粒子の位相が揃う場所を書き上げると日本語版「チェレンコフ光」に出てくる図解のような波面ができます。少し慣れている人向けに書くと、フーリエモードを重ね合わせる計算をするときに、その波面の条件はポールになっているので、複素積分する過程で自然とその条件が入り込んできます。定性的にいうと、あらゆる場所から出た波の位相が重なり合うので、その波面の場所だけ強めあって、明確なものになる、というところでしょうか。

 

Frank-Tamm公式によってエネルギースペクトルが得られますが、本文中にも書いたように、ピークが立っていないので、単色光とは程遠いのですが、高エネルギー側に寄っていることもあって、写真で見るような「青白い」感じになるようです。

 

青白いといえば空は青いですが、その青も青白いですね。

こちらのエネルギースペクトルについてもそのうち触れるかな?