紅茶も烏龍茶も緑茶も同じ茶葉
とは言うが、実際のところ、品種や栽培方法も作る茶葉に最適化しているため、1つの農園から色々なお茶を作るということはほとんどない。
緑茶の場合、肥料の大量投入が独特の旨味を出すキーの1つになっている一方で、紅茶では肥料の投入は抑えないと味が悪くなるようで、例えばその辺り取ってきても違うわけだ。
また、チャノキの品種に関しても中国由来の種とインド由来の種で大きな違いがあって、紅茶の場合、どちらに由来する品種を採用しているかがまた1つ鍵である。
アッサムなどはインドの由来の種でダージリンは中国由来の種を使っている。
アッサムは赤い水色や味の濃さが特徴的だが、ダージリンでは赤っぽさはそこまで出ないし、香りの方が押しの茶になる。
これは加工の段階なども含めた全体の違いを受けているがとくに水色あたりはインド系の木の方が赤っぽく、中国系の方が茶色に偏る印象がある。
私は中国系の方が好きなのだが、専らストレートで香りを楽しむ私の飲み方とも絡むだろう。ミルクティーやチャイなどはインドの由来の茶葉の方がいいとも聞くし、少なくとも味を押す茶葉の出る幕だろう。
そして産地とシーズンが重要になる。特にシーズンはまるっきり茶葉の雰囲気を変えてしまうポイントなので、そこは完全に違うことを押さえてほしい。
詰む時期として
ファーストフラッシュ
セカンドフラッシュ
オータムナル
はどの地域でも割によく聞くもので、その名の通り一番、二番、秋摘みである。
ただ、これらの味の違いは加工する環境の違い(発酵時の気温など)とも関係するので、結局、産地+いつ摘みか?を見てとるのがベストだろう。
産地は
インド、ネパール
-ダージリン
-アッサム
-ニルギリ
-ネパール
スリランカ(セイロン)
-ヌワラエリア
-ディンブラ
-ウバ
-キャンディ
-ルフナ
中国
-雲南
-キームン
中国の場合、他の産地もあるが、産地名でブランドになっておらず、また別の茶を作るためにあまりここでは紹介しないが注意するべきは茶の多様性は中国こそ最大だという点。
おそらくあまり紅茶に馴染みのない人が紅茶と言われて馴染みのある紅茶に近いのはアッサムかセイロンの各産地。
アッサムはインドの約半分の茶葉を生産し輸出も多く、すぐに色と味が出るCTC製法が広く使われているためだ。
あとは、セイロンの紅茶はセイロンの各地の紅茶をブレンドすることも多いためだろうが、本来単一産地のそれぞれは特徴が大きく違うのだが、セイロンと括られがちなイメージがある。
セイロンの場合、ヌワラエリアやディンブラ、ウバは香り推しの紅茶である。ヌワラエリアの香りは草のような、と言われるのだが、さわやかな鼻への刺激のなかに、一部鼻につくような香りが混じっている。
一方ルフナなど、低地の紅茶は私の知る限り、香りよりも濃厚な味、色、渋みを押してくるもので、ミルクティー向けである。
それぞれをブレンドすることでどういう用途でも使えるものを狙っているのかもしれない。
そして、インド。ネパールと接している近くでよく栽培されていることもあって雰囲気の似た茶葉がネパールで作られていることもあり、ネパールもここに含めた。
北東部のダージリン、アッサム、ネパールと南部のニルギリが有名。
ダージリンは香り推しで甘い茶葉という印象が強い。特にダージリンの茶葉はセカンドフラッシュの出来具合として「マスカットのような」香りの有無が挙げられる。
マスカットのような、マスカテルフレーバーというが、確かに甘い感じではあるが、例えというのは難しい。ウンカという虫がついた紅茶は甘い蜜の香りがするというが、まあ、その系統かな?という感じで、甘い感じというのは確かだが、いやもうこれはダージリンの香り、で行くのが一番確実な気がするものである。それをこの業界は許さないのかもしれないが「…のような」という専門用語を作っているだけのような気がしてならない。
ネパールはダージリンに近い。ダージリンの模倣品という格下という見方もあるが、それよりは、大枠としてダージリンの方向でその中で個性を農園別などで出しているようなイメージがある。
ニルギリは個人的に疎いのでパス。
ある喫茶店で飲んだ感じとしては香り、味、渋みのバランスが効いていて、ベースとして位置付けているというまさにその感じであったが、セイロンとも近いという話もあり、私としては未開拓な感が強い。