雷や放電の実験をすると
「電気は通りやすいところを通る」と教わる。
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しかし、中学校でオームの法則を習うとそれが嘘であるとわかる。

つまり、確かに通りにくい所の方が電流は少ないが、一定の割合で並列した別の抵抗にも電流が流れる。

私はこれで悩んだ。雷の時はちょっと抵抗が違う所で最も通りやすいところを選択的に通るのに、なぜ、回路ではそうではないのか?

答えは絶縁破壊という現象である。
絶縁体、つまり抵抗の大きな物質に電場をかけると一定より強くなった時に絶縁状態が破壊されて電気が流れてしまう現象である。

電場が強くなりすぎると抵抗値が突如ゼロに近く落ちてしまう。

雷の場合には絶縁破壊現象を経て起こる放電で、絶縁破壊された経路を電流が通る。

つまり、雷の場合、抵抗が突如なくなったところを落ちているので、オームの法則との矛盾はなかったのである。

電気は通りやすいところを通る

という標語は正確には

放電された電気は絶縁破壊の起きたところを通る

であって、

放電は絶縁破壊の起きやすいところで観測される

と言わないと語弊があるのであった。

なお絶縁破壊は実験としてはよく行われるし、経験的にもそういう現象があることはわかっているが、メカニズム等は研究途上のようである。

電気は通りやすいところを通る

というフレーズは注意されたい。
子供の方がこの問題点を見抜いて大人が騙されていることの多い問題だ。