笑顔でこちらに歩いて来た スローモーションに見えて そこだけ時が止まって見えた
「これから時間あるか?良かったらあの店に今から行かないか?」
明日は休みだし まっすぐ帰る気にもならなかった俺はすぐに行きますと返事をした
予約の電話を終えると
「じゃあ行こうか」
タクシーを止めて乗り込む
「あの店にはよく行くのか?」
「はい、以前一緒に抱えてもらった友人の紹介です」
あのお店
寡黙なマスターが1人でやっている看板も出てない 馬鹿な女が隠れ家的BARだと行きたがるみたいだが あいにく女性は入れない
その噂から男が男と出逢う場所だと思われているがそれもない
ただ静かに
酒をゆっくり飲める場所
「課長も誰かの紹介ですか?」
「いや、友人なんだ」
「そうですか」
そしてタクシーは少し前で止まり 2人で歩く
扉を開くと
「・・・いらっしゃいませ」
寡黙なマスターの声
「こんばんは智くん」
続く