世界の新生児が死亡する数は、特に最貧諸国において、驚くべき高い数字であり続けている。
日本で産まれた赤ちゃんは生存する可能性が最も高く、
パキスタンや中央アフリカ共和国で産まれた赤ちゃんは生存する可能性が最も低いことを明らかにしています。
報告書によれば、世界的の低所得国における新生児死亡率の平均は、出生1,000人あたり27人です。
高所得の国々における死亡率は出生1,000人あたり3人です。
出産するのに最も危険な国々で生まれた新生児は、
最も安全な国々で生まれた新生児よりも、死亡する可能性が50倍高いことになります。
報告書は、赤ちゃんが生まれるのに最も危険な10カ国のうち8カ国が、
貧困や紛争、脆弱な制度のために、妊婦が出産の際にケアを受けられる可能性がとても低い、
サハラ以南のアフリカの国々であることを指摘しています。
もし、すべての国々が2030年までに、新生児死亡率を高所得国の平均値まで削減できたなら、
1,600万人の命を救うことができます。
<命の格差>
■新生児の死亡する割合が最も高い国々
1. パキスタン: 22人に1人
2. 中央アフリカ共和国: 24人に1人
3. アフガニスタン: 25人に1人
4. ソマリア: 26人に1人
5. レソト: 26人に1人
6. ギニアビサウ: 26人に1人
7. 南スーダン: 26人に1人
8. コートジボワール: 27人に1人
9. マリ: 28人に1人
10. チャド: 28人に1人
■新生児の死亡する割合が最も低い国々
1. 日本: 1,111人に1人
2. アイスランド: 1,000人に1人
3. シンガポール: 909人に1人
4. フィンランド: 833人に1人
5. エストニア: 769人に1人
5. スロベニア: 769人に1人
7. キプロス: 714人に1人
8. ベラルーシ: 667人に1人
8. ルクセンブルク: 667人に1人
8. ノルウェー: 667人に1人
8. 韓国: 667人に1人
「毎年、世界の260万人の新生児が、生まれて最初の1カ月を生き延びることができません。
そのうち100万人は、生まれたその日に亡くなります」とユニセフのフォアは言います。
「私たちは、すべての母親とすべての赤ちゃんのために安価で質の高い保健ケアを用いることで、
こうした赤ちゃんの大多数を救えるとわかっています。
私たち全員が、ほんの小さな一歩を踏み出すことで、
すべての幼い命の人生最初の小さな一歩を確かなものにできるのです」
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■別所文雄日本医療科学大学教授(日本ユニセフ協会理事)コメント
「日本の新生児医療水準は、敗戦後に徐々に改善し、ここ30年近く高く維持されてきています。
日本は、数十年をかけて、今回ユニセフが指摘した「赤ちゃんの命を守るために必要な要件」を整えてきたわけですが、
世界での新生児死亡率の差は、世界での格差の表れであることを考えると、
日本社会の格差拡大の中にあって、この高い水準を維持するためには
様々な面からの対策が求められるように思われます」
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しかし、それに平行して、日本で中絶で断たれた命は年間約17万人。
さらに、虐待や育児放棄なども後を絶ちません。
また一方で、不妊治療件数は世界一位。しかし、成功率は世界で一番低いのです。
次の記事は、
赤ちゃんを救う取り組みをしている施設、病院などを
ご報告していきたいと思っています。