智side

 

「もしもし?翔くん?」

 

『じゅんは?』

「ん?ん…と…リビングで寝てる」

 

『飲んだの?』

「すこし?」

 

『…じゃないんでしょ?』

「ふふっまぁ…親父が…飲ませ過ぎてたかも…」

 

久しぶりに帰ってきたじゅんに

それは父ちゃんも母ちゃんも喜んで

 

久しぶりって言っても

二週間ぶりだよ?


もう一人イケメンな息子がいること忘れてない?


潤が好きなメニューが食卓に並び

父ちゃんはいつもよりも飲んでたし

 

それに潤が付き合っていたわけだけど…

そんなに酒が強いわけではないから

 

食事途中にソファーで横になって…

今に至るわけなんだ

 

『きょうはそっちで泊まらせて』

「うん…そうするよ」

 

「なに?翔くん寂しいの?」

『寂しいよ』

 

「毎日一緒にいるのに?」

『うん…じゅんがいないと…ベットが広すぎて』

 

「ふははっ」

 

恋人の兄にここまで惚気るか

 

トントンとノックする音のあと

潤が顔を覗かせた

 

「にぃ…」

 

「どした?」

「ねむい」

 

「眠いなら自分の部屋で寝ろよ」

「やだ」

 

「『やだ』じゃない…じゅん達のベットと違ってシングルだぞ?狭いんだよ」

「いいじゃんっ前は一緒に寝てたじゃん」

 

「前って…子供の頃な?」

 

「あぁこらっ…潤」

「一緒に寝よ?」

 

制止も聞かず勝手にベットの中に潜り込んで顏のほとんどを毛布で覆ってるから


大きな目だけが見えている

 

「っ…たく…」

「ね…にぃ…頭撫でて?」

 

「は?」

「だってしょうくんいつもそうしてくれるよ?…それにぎゅってしてくれるし」

 

「あぁ…そうなの?帰ったらしてもらえ…な?」

「んん…なでて?じゃないと寝れないもん」

 

元々の甘えたな性格に

さらに磨きがかかってないか?

 

上目遣いのお願いに仕方ないな…って

心折れそうになったのに

 

…おいっ

もう寝てるじゃないか…


寝顔だけは子供の頃のまんまだな



潤がこの部屋に来てから

いつの間にか手から離れていたスマホを拾うと


案の定…通話したままだった


「…てことで潤寝ちゃったけど俺を恨むなよ?」


『…恨まないけど…じゅんの事食べないでね?』

「たべるかっ」

 

『ふははっ明日の朝迎えに行くから』

「おお…待てるよ」

 

 

「はぁどんだけ甘やかされてるんだか」

 

翔くんの育て方だな…うん


狭いベットの中久しぶりに俺より大きくなった弟と体を寄せ眠りについた


変な気は起きないから安心して?

っておれは誰に言ってるんだ?


まぁいいや…

あぁあったけぇな


おやすみ…潤