潤side

 

時々

 

かたんとグラスを置く音のあと

髪を優しく撫でてくれて

 

俺はしょうくんの指にじゃれながら

流れる映像を見ていた

 

あぁこの時

『せんぱい…』って呼んでたっけ

 

なんて

ふふっ

 

去年の今日…

 

自分の誕生日を過ごしてるなんて

想像できてなかったな

 

遠い過去の記憶はうっすらと

 

目の前の映像も霞むくらい

しょうくんの事を思いだしていた

 

かっこよかった…な…

 

目を閉じて想像してたよりもずっと

男の顔して

 

なのに仕草も言葉も

貫くその時も


目を覚ましたときも

 

ずっとずっと

優しくて…


今だって…

 

一つになれた喜びもあるけど

大切にしてくれてるって伝わってきて


すごく…幸せ…

 

 

触れてる部分から伝わる

しょうくんの体温と


眠りを誘うかの様な

しょうくんの指の動きに

 

エンドロールが流れる少し前

 

『じゅん…ベットで寝ような』

 

『いっしょ…』

『あぁ…一緒な?』

 

手を引かれベットに横になり

 

限界だった瞼が落ちるまで

 

とことん甘やかされて

俺の誕生日の日が終わった