翔side

 

目が覚めて一番に手にした

枕元に置いてあるスマホ

 

日曜だけど


いつもと変わらない時間に

いつもと同じ音で目を覚ます

 

コンビニで買っておいたパンを食べ

インスタントコーヒーを飲む

 

それもいつもと変わらない朝

 

テレビをなんとなく見て

頭がはっきりしてきたころ

 

カバンからノートを取り出し

課題に取り掛かった

 

テーブルに置いたままのスマホを

時計代わりにちらっと見ては

 

少し集中して


だけど

 

スマホが震えるたびに慌てて確認するけど

待っているメールでは無くて…

 

俺から送った方がいいのか…な?

 

『おはよう』とか?

『今何してる?』…とか?

 

「ふっなんてな」

 

同じように過ごしているつもりなのに

じゅんの事を思い浮かべる回数が増えていた

 

そして迎えた月曜日

 

いつもと変わらない朝だと思ったのに

少し違った…

 

「…ぁ…じゅん…」

 

じゅんが駅の改札前で立っていて


俺を見つけると

はにかんだ笑顔で迎えてくれたから

 

「おはよ…しょうくん」

「おはよ…」


「あっおれもねさっき着いたところなんだ」


「…もしかして…待ってた?」

「うん…まってた…」


そう言うと

照れた顔を隠す為か俯いた


「そっか…嬉しいよ」

「…ん…」

 

「いこっか」

「…だね…」


いつもと同じ道

ゆっくりと歩き出した