潤side

 

「えぇ良いなぁ…あっこれもらっていい?」

「あ…おいっ」

 

しょうくんはいつも二切れの卵焼きを

一つは一番初めに

もう一つは一番最後に食べる癖がある

 

その一つ残していた卵焼きは

長い指でつままれ

 

あっという間に相葉先輩の口の中へ

消えていった

 

「うまぁ…潤ちゃん作ったんだよね?」

「ふふっうん」


「俺の卵焼き…」


これ以上下がらないだろう眉毛が

可愛いくて


笑いたくなるのを必死に堪えた

 

「最後に取っておいた卵焼き…なのに」


そんなに楽しみにしてくれてるなんて

嬉しい…


「しょうくん…俺の食べていいよ?」

「いいの?」

 

「うんっいいよ」

「ありがと…」

 

くふふっ

やっばり可愛い


「あっこんなところにいた」

「あっかずっ」

 

相葉先輩と待ち合わせていたのかにのが現れた


「『かずっ』じゃないよ…ほら邪魔しないの」

「邪魔ってなんだよぉ」


「ごめんねお二人さん…行くよ」

「「あ…あっおい」」


小さな身体が先輩を引きずって

わいわい賑やかな声が遠くなった



「あの最近二人仲良いよな…」

「う…ん…そうだね」


だって二人付き合ってるし…って

しょうくん…知らないのか…な?


急に訪れた二人きりの空間

最近は二人でいる事に慣れたのに


一度意識をしてしまうと

どきどきと胸の鼓動が早くなった