潤side

 

秘かに喜んでしまっている俺の事を

気にすることなく

 

「開けていい?食べていい?」

って下がった眉そのまま俺を見つめる

 

本当にお腹が空いてるんだろうな

 

「ふふっどうぞ…」

 

「うわ…うっまそーーーーっ」

 

「じゅんすげぇな」

「大げさだよ…」

 

「じゃ…いただきます」

 

「口に合うと良い…」

「うんめぇぇ」

 

『口に合うと良いんだけど…』

そう言い切る前に一口食べたしょうくんは

声を上げた

 

良かった…うふふっ

 

「この肉…」

「あぁ…生姜焼きだよ?」

 

「まじうま…」

 

母親直伝の生姜焼きは

確かに簡単なのに美味しくて

 

俺も智にぃも大好物だった

 

次にしょうくんが箸をつけたのは

いつもより上手く巻けた卵焼き

 

「ううぅ…」

「どうした?味変?」

 

口に入れた瞬間蹲ってしまった

 

どうしよ…

 

保冷剤入れてきたから

痛んではいないと思うんだけど…

 

もしかして塩と砂糖間違えちゃった??


一人わたわたしたのは一瞬で

顔を上げたしょうくんは笑顔だった