翔side

 

ずっと言えなかった気持ちを開放すると

今まで以上に潤が俺の大部分を占めていった

 

笑って

 

時には他愛のないことで喧嘩をして

でもすぐ仲直りして

 

潤の笑顔が好きだと思った

潤の涙を見ると心が痛んだ



初めて体を重ねたのは


覚悟を決め想いを共有したあの日から

直ぐのことだった

 

思い出しても

優しくなかったな…

 

 

従順過ぎるほど

俺に差し出すその体に

 

溺れて

夢中になって

 

普段より高めな甘える声が

気持ちを昂らせて

 

気がついたら


閉じた目尻に涙を浮かべながら

落ちた潤を抱きしめていた

 

『…は…っぁ…じゅん…?』

 

やべ…

 

口元に耳を寄せると

規則正しい息使いが聞こえ

 

小さな紅い華が散らばる胸元は

微かに揺れている

 

『しょうくん…』

『ん?…起きたか?』

 

温かいタオルで身体を拭いていると

ゆっくりと目を開いた

 

『うん…』

『大丈夫か?』

 

髪を梳くと

気持ちよさそうに目を細め

 

『だいじょうぶ…あのね』

 

身体を動かすことが出来ないのか

隣に来るように目で促されると

 

細い身体を胸元に抱きしめた

 

『ありがと…』

『じゅん?』

 

濡れた睫毛がゆっくりと動いて

 

『大切にしてくれて…ぼくの全部…受けとめてくれて…ありがと』

『な…に…終わりみたいな言い方してんだよ』


『ふふっそんなんじゃないけど…なんか…言いたくなったんだ…』

 

そう幸せそうに笑っている