翔side

 

俺は潤のこと好きなんだ…

 

男同士

 

それだけの理由でずっと気がついた気持ちに

素直になれない俺と違って

 

潤は素直だった

 

向ける笑顔も

時折じゃれて絡ませる腕も

 

『しょうくん大好き』

いつも突然な無邪気な告白も

 

俺の事をそういう意味で好きなんだと

気がつくのは容易かった

 

だけど…

 

どうしても潤の気持ちに応えることが

出来なかった

 

俺達の関係は

仲のいい友達…

 

可愛い弟


今は生まれたての子猫みたいに

一緒にいる時間が多い俺に懐いてるだけ


いつか

 

潤ももう少し大人になったら

可愛い女の子と出会って付き合って

 

そうしたら俺に向ける気持ちが

変わるはず

 

この屈託のない笑顔を知らない誰かに向け

 

甘えた声で『しょうくん』と名前を呼ぶ

この唇を誰かと重ねる時が来る


でも…

 

それを想像したら胸が苦しくなった