潤side

 
ベットの淵に並んで座ると
繋いだ手に力が入る
 
「なぁ…じゅん」
 
柔らかな声で名前を呼ばれ
 
「ん?」
 
返事はしたけどしょうくんを見れず…
 
でも何でだろ…
 
優しい笑みを浮かべているのが
簡単に想像が出来て
 
すっと体の力が抜けていく
 
そんな俺の耳に届いたのは
思いもしない言葉で
 
「俺…じゅんと約束したんだ…」
「え…?やくそ…く?」
 
思わず顔を上げると

想像していた以上に
優しく微笑む翔くんがいた
 
「そ…お前が目を覚ます前の日だったな…」
「…そ…なんだ…なんて約束したの?」
 
「じゅんとの思い出…いつか目が覚めたお前に教えてあげるって」
 
う…そ…
そんな約束…俺してたんだ…
 
「聞きたい?」
「聞きたい…」
 
まだ頭の中ではばらばらに散らばっている
記憶のピース

それが一つになったらどんな絵になるのか
 
見てみたい
 
「おしえて…?」
「あぁ…いいよ…でも長くなるから」
 
「おいで…」
 
促されるままベットに上がり
 
後ろから抱きしめられ
一つの毛布で二人を包み込んだ
 
胸元に顔を寄せると
 
とく…とく…
翔くんの鼓動が聞こえてくる
 
「寒くない?」
「大丈夫…このまま聞いてもいい?」
 
「もちろん」
「…あったかい…」
 
それから教えてくれた
 
俺の知らない
おれと翔くんが過ごしてきた日々の事を