翔side

 

足元で丸まっていた毛布を掛け


ベットから降りても

寝室のドアを開けて振り返っても

 

じゅんが動く事はない

 

妖艶とは無縁の無垢な寝顔を残して

脱衣室に向かった


自身の身体に残るじゅんの匂いも感覚も

そのままにしておきたい

 

タオルを温めすぐにじゅんの元へと戻り

白い肌…腹に残る証を拭き取ったあと

 

ひとつの毛布の中で

身体をくっつけながら

 

その寝顔を眺めていた

 

「…しょうくん…」

「ん?わりぃ…起こしちゃったな?」


見つめ過ぎたか?

抱き締める力が強かったか?


俺の体温が熱すぎたのか…


ゆっくりと目を開け俺を捉えると


『そんな心配は無用だよ』

って言わんばかりに


ふわりと笑って


毛布の中


俺の手を

器用に探して握ってくれた