翔side

にこにこと懐くこいつと

なんとなく
一緒にいる時間が増えていく中で

自分の気持ちに何となく気がついていたのに
でも…って

ただの可愛い弟…可愛い後輩…
理由をつけて気がつかないふりをしていた

一緒にいるといろんな感情が湧いてきて
飽きることはない

『しょうくんっ』
まだ声変わりをしていない高めの声で甘える
その無邪気な笑顔を

素直に可愛いと思えて

『しょうくん…』
悔しいことがあると二人になった途端に
見せる涙を見て

どこか優越感にかられ

『昨日…だれと遊んでたんだよ』
『んとね…』

約束をした訳でもないのに
一緒に帰れない事に

俺の知らないところで
この無邪気な笑顔を誰かに見せたと思うと

もやっとして

そのせいで言葉がきつくなってしまっても
それでも潤はにこにこと無邪気に笑っている

俺だけ気持ちが忙しいと思うと
少し苛立つのに

歩く度に肩が触れあい

隣にいる…

それだけで苛立ちなんて
いつの間にかどこかに消えていった