翔side

 

どれくらい

この穏やかな寝顔を見続けていたのか…

 

「…う…ぅん…」

 

身じろいだ後ゆっくりと瞳が開いた

 

「…しょ…くん…?」

「おはよ…」

 

「ふぇ?しょうくん?」

「ふふそうだよ」

 

大きく目を見開いて

 

「しょうくん…おはよ…」

「おはよ…気持ちよさそうに寝てたな」

 

恥ずかしそうに鼻先まで毛布に隠れる

可愛いらしい仕草に頬を緩ませる…

 

ここまでは…想像していた通りの朝だった

 

「…しょ…くん」

 

一度伏せられた瞳が俺を捉えると

その瞳に涙を蓄えていて

 

瞬きした瞬間

一筋の光が目尻を伝い零れ落ちた

 

「どうした?」

「わかんない…なんでかわからないけど止まらない…の」

 

ぽろぽろと溢れる涙を指何度で拭っても

あとからあとから溢れて

 

長いまつ毛を濡らし拭いきれない涙が

頬を伝って枕に吸い込まれていく

 

その涙の止め方が分からなくて

ゆっくりしてと体を起こして抱きしめた

 

「…しょうくん…」

「うん…俺はここにいるよ?」

 

細い身体を腕の中に閉じ込め

 

『ここにいる…から』

と耳元に囁き抱きしめる力を強めた

 

 

ずっと…ずっと

ここにいるよ…