翔side

 

意識が浮上するとカーテン越しに柔らかい光が差し込み朝が来たんだと知らせてくれた

 

「…いつの間にか寝てたんだな」

 

隣を見るとあどけない顔して

潤が気持ちよさそうに目を閉じていた

 

「ふふっ可愛いな…」

 

俺の指先をぎゅっと握りしめて

丸くなって寝入っている姿に

 

頬が緩むのと同時に

懐かしさを感じていた

 

目が覚めて…ここに俺がいた事知ったら

潤はどんな反応をするのだろう

 

『うわぁしょうくん??』

と目を大きくして驚くのか…


『…おはよ…しょうくん』

と恥ずかしそうに笑うのかな…

 

その伏せられた瞳が開くのが楽しみで

じっと見つめた

 

そして潤にとっても

この朝が当たり前になればいい…

あの頃みたいに…

 

想いを伝えられ通じ合った…

今はそれだけでいいと思うのに

 

一つ叶うと次も…と欲が出てきてしまう

 

愛したい…

 

唇に咲くほくろも

今は隠れている胸のほくろも…

 

髪の毛の先からつま先まで全部愛したい…

身体中にも愛を伝えたい…と


「俺たちにはまだ先だな」


純粋な潤の気持ちを汚したくない


言葉で態度で伝えていこう

今は…


邪な思いを抱いてしまった

自分の気持ちを飲み込むのは


この寝顔の前では容易い事だった


そして


静かな空間のあたたかい毛布の中で

潤が目覚めるのを待った