翔side

 

大きな歓声の中で二日目も無事に終わった

 

「「お疲れさまでした」」

 

終わった事への安堵感はスタッフもで

それぞれ汗を滲ませながら笑顔で

 

ハイタッチ交わしながら楽屋へと帰ってきた

 

シャワーで汗を流し戻ってくると

三人は帰った後だった

 

急に静かになった部屋で息を吐くと緊張感から解き放たれた気持ちと入れ替わる様に

 

『終わったら…聞いて欲しい事がある』

潤の言葉が心を占めていく

 

考えないようにはしていたが

忘れたことはなかったから…

 

サプライズで読み上げた手紙に込めた思いは

 

今の潤には届かないかもしれない

 

もし…今のお前が

望んでるなら共に歩いていきたいと

思っているよ…

 

もし…将来

記憶を取り戻した時

この言葉を覚えていて欲しい

 

なにがあっても傍にいるから

共に…乗り越えていこう

 

この先の長い時間を共に…


強く願うのは潤の幸せな未来だ

願わくは…それを隣で見ていきたい


そんな事を考えていた

 

「…しょうくん…」

「…おつかれ…さっぱりしたか?」

 

「うんっ…」

 

シャワーを浴びて戻ってきた潤は

すっきりとした顔で立ち尽くしていた

 

「終わっちゃったね…」

「そうだな…終わったな…」

 

 

「…帰ろうか?」

「うん…」

 

お互いに言葉に出来ない気持ちを抱え

車に乗り込んだ