潤side


だって…そんな

今まで友人だと思っていたのに

 

でも…突如襲われた出来事は現実で…

 

ただただ…怖かった

斗真の言葉も

 

もしかしたら…翔くんの手を離さなくてはいけない時が来るんじゃないかって不安も

 

そんな事になったら…おれ…

 

恐怖と不安に苛まれ震える体を独り抱きしめていた俺の手に重なる温かい温もり

 

翔くんの手が現実の世界に連れ戻してくれた

 

大丈夫だから…と強く握られた手と

包みこんでくれる様な眼差しに身体のこわばりが解けて息を吐いた

 

だけど「…多分…オレなんだと思う…」とそう認めなくてはならない現実を飲み込めなくて

 

これからどうなる?なんて想像も出来なくて

 

それに…やくそく…

 

「ごめんなさい…黙ってて…」

昨日ちゃんと言っておけばよかった…

 

「じゅんは悪くない…俺が守るから…」

その言葉がどれだけ気持ちを楽にしてくれただろうか…

 

そして抱きしめてもらうだけで

心が落ちつき体を翔くんに完全に委ねていた

 

今は解決策も無くて

自分ではどうする事も出来ないけど

 

この温もりを手離すなんて…もう無理だから

そう思うと中々腕を解く事が出来なくかった

 

どれくらいの時間がたったのか


ドアが開く音と共に優しくて温かい空気が流れ込んできた

 

身体にかかる三人の重みと

「守るから…」の言葉

 

本当に…嬉しかった

 

俺が…しっかりしなくちゃ…