潤side
撮影も順調に終わり、久しぶりに早く帰れて開けた玄関
先に帰って来ていた翔くんの靴に目がとまった
「しょうくん?」
玄関での大きな独り言にパタパタとリビングから迎えに来てくれた
「潤…お疲れ、お前も早かったんだな」
「お疲れ様…うん、早く終わった、あ、翔くんは?また仕事しに行かなきゃ?」
「いや、俺も今日の仕事は終わった…」
そっか…やったぁ
この頃一緒に過ごせる時間がなくて
いつも寝てしまってから帰ってきてたり、寝ている翔くんにキスをしてから仕事に向かう
完全なすれ違いの日々
だからこうして思ってもいなかった一緒の時間が嬉しくて、疲れもどっかに飛んでいった
「ふはっ潤…なに可愛い顔して突っ立てんだよ、ほら入って?」
あっ…まだ玄関じゃん…てか靴も脱いでないし
急いで脱いで…向きを揃え翔くんを探すと壁に寄りかかりながらこっちを見てた
目が合うと「ん?」と目を細めた
「なんか起きてる翔くんに会えたのがびっくりしちゃって」
と言いながら繋がれた手でリビングに入ると机の上に書類が散乱していてそれを避けてソファーに並んで座った
「まあな…最近お前の寝顔ばっかりにキスしてたな…」
「き、キスしてたの?俺に?翔くんが?」
「ん?してたよ?知らなかった?」
「し、知らないよ…起こしてくれればいいのに…」
「ふふっでもお前いつもキスすると嬉しそうに笑ってたけどな…」