優しさってなあに(4) | 天使の囁き(童話で心を癒して)

優しさってなあに(4)

     みーちゃんのゆうき
 やっと、おかあさんのようふくがきまりました。

 みーちゃんのかいものにいくまえに、だいしょくどうであまいものをたべました。
「みーちゃん、なにたべる」
「みーちゃんはチョコレートパフェにする」

「あんな、おおきいのたべられるの」
「だいじょうぶだよ、あるきまわってつかれたから、あれぐらいへっちゃら」
「じゃあ、おかあさんは、のみものだけにして、のこったらもらう」
「おかあさん、のこらないとおもうよ」
 おかあさんはチョコレートパフェとレモンスカッシュの、しょっけんをかって、ざせきをさがしました。

 ざせきにすわってまわりをみると、みーちゃんと、おなじとしくらいのおとこのがちかくのせきにいます。

 おとこのこはふたりいて、どちらもおかあさんといっしょです。

 おかあさんがはなしこんでいるので、ふたりのおとこのこはたいくつしています。

 チョコレートパフェとレモンスカシュがきて、みーちゃんがたべはじめたときです。

 おとこのこふたりが、おいかけっこをはじめました。

 さいしょのうちはだいしょくどうのそとでしたが、みせのなかまではしるのです。

 みーちゃんもおちついてたべられません。
「おかあさん、あのこたちどうにかして」
「みーちゃんがいえば」
「みーちゃんはだめだよ」
「どうしてなの」
「しらないおとこのこだからいや」
「じゃあ、しってるこだったらいいの」
「わかんないけど、ようちえんだったらいってるよ」
「じゃあ、いってみたら」
 みーちゃんがおかあさんと、はなしをしているあいだも、おとこのこははしりまわるのをやめません。

 ふたりのおかあさんは、はなしにむちゅで、なにもいわないのです。

 てんいんも、みていてもみないようにしています。

 ほかのひとも、みんないやなかおをしていますが、だれもいいません。

 みーちゃんは、はらがたってきて、いすからおりました。
「こらっ、あばれるな」
 みーちゃんのおおきなこえで、ふたりのおとこのこはビックリして、たちどまりました。

 そして、みーちゃんをにらんでいます。

 そしてとおくからみーちゃんにいったのです。
「なにいってるんだ」
「こいつ、なまいきだぞ」
「こんなところで、あばれたらだめでしょ」
「おれたちのかってだろ」
「そうだ、そうだ」
「あなたたちも、ようちえんにいってるんでしょ、そしたらわかるでしょ」
「なにをだよ」
「そうだ、なにをだよ」
「たくさんのひとが、いるところではしずかにしましょって」
「そうだ、そうだ」
 ちかくのせきからかけごえがします。

 そのこえで、おとこのこはビックリしてかおをみあわせました。

 みんながおとこのこをにらんでいます。

 そして、まわりから「パチパチ」とはくしゅが、わきあがったのです。
 おとこのこのふたりのおかあさんは、みーちゃんのこえでもはなすのをやめません。

 それでもはくしゅできがつくと、はずかしくなったのか、おとこのこをひっぱってでていったのです。
「みーちゃんすごいね」
「だからいやなのよね」
「どうしてなの、すごいじゃない」
「おかあさんしってるでしょ、みーちゃんがおとこのこなかすの」
「だから、みーちゃんなら、だいじょうぶだとおもったの」
「みーちゃん、はずかしい」
「みんなが、みーちゃんのゆうきを、ほめているのよ」
「はい、おじょうちゃんありがとう、これもたべてくれる」
 そこには、てんいんさんがもってきてくれたホットケーキがありました。

 みーちゃんのゆうきにたいしての、てんいんさんのおれいでした。

 おかあさんとわけてたべたのです。
  

つづく