わたしは幼い頃から雨が好きで、雨が降るとどんなこともうまく行くような気になります。
なぜこんなに雨が好きなのか自分でもよく分からないのですが、とにかく雨=最高の日です。
一方で、「雨が降ると髪がボサボサになる」とか「気分が落ち込む」などと言い出す人がいますが、雨が降って髪がボサボサになるような人は晴れてたってボサボサだし、雨が降って落ち込むような人は晴れてたって落ち込んでます。
そういう人にかぎって、晴れが続くと今度は「乾燥してお肌が荒れちゃう」などと勝手なことを言い出すので、単に色々なことにイチャモンをつけたいだけなのかもしれません。
…と、雨のことになると急に気が触れたように熱く語り始めるわたしは、小学3年の頃、とある事件を引き起こしました。
あれは夏休みも間近に迫った6月後半。
普段から『オレは晴れが好きだ!』と言ってはばからないクラスの男子(イガグリ頭の半ズボン)と、晴れ・雨談義で大喧嘩に発展したのです。
その男子いわく「晴れれば外で遊べるし出掛けることも出来るし楽しいんだ。だから雨なんか降らないほうがいい」とのこと。
そこでわたしが「毎日晴れたら水不足になって遊んでる場合じゃなくなるよ。もっと地球のことも考えたら?」と、何やらワールドワイドな反論をしたところ、イガグリ頭の半ズボンがキレて暴れ出しました。
言葉で敵わないと暴れ出す、典型的なDV男子の誕生です。
最終的にそのイガグリ頭の半ズボンは、自ら履いていた上履きをベランダから投げ捨てるというナゾの暴れ方をして、先生から怒られていました。
その事件以来、わたしはクラス内で『雨の王』と呼ばれることに……。
そんな雨の王であるわたしは、雨の日は紅茶とクッキーを用意し、外の景色を見ながらボーッとするのが定番となっています。
雨が降ると時間がゆっくり過ぎているような気がして心が落ち着くし、雨の匂いを嗅ぐとエンドルフィンが分泌してナチュラルハイに。
見る人が見れば、雨の日のわたしは何かキメてるように見えるかもしれません。
これから梅雨の季節がやってきますが、わたしのテンションがやけに高かったとしても、それは危険ドラッグのせいなどではなく、雨のせいです。だから通報しないで優しく見守ってください。
なんせ雨の王ですから……。