スマホで動くmsxエミュを検索してみると、【fMSX(有料版fMSX+)】と【MSX.emu】の2つが目に留まった。
どちらもScale2xフィルタを用いた画質向上機能が備わっているため、なんとなくノスタルジックなアイコンの【MSX.emu】を使ってみることにした。

MSX.emuは「blueMSX」というPC用エミュレータをベースに作られたものらしく、C-BIOSと呼ばれるオープンソースのMSX互換BIOSが付属していることから、実機のBIOS不要でソフトが動作するらしい。
というわけで、早速手持ちのゲームディスクのデータを読ませてみたところエラーが…。
C-BIOSだけではディスクが読めないことが判明したため、付属品には頼らず昔ながらの正攻法で再チェレンジ。

ディスクが動作するまでの手順を解説したサイトがどこにも見当たらず、多少手こずったため、方法をレクチャーしたいと思う。
 

  • ① MSX.emuをスマホにインストールし起動させる。
    起動時にC-BIOSをインストールするを選択すると、メインストレージの中に「MSX.emu」というフォルダが生成される(更にフォルダ内に「MSX - C-BIOS」「MSX2 - C-BIOS」「MSX2+ - C-BIOS」の3フォルダが生成)。
    MSX.emuを終了する。
     
  • ② MSx.emuのベースになった「blueMSX」の公式サイトから「blueMSXv282full.zip」をダウンロードし解凍する。

    「Machines」フォルダ内に様々な機種名のフォルダがあるが、今回は1989年後半に発売された、SONYのMSX最終機「MSX2+ - Sony HB-F1XV」を使用する(同年前半にHB-F1XDJの不具合が一部改善している以外は同仕様)。
    Sony HB-F1XV
    「MSX2+ - Sony HB-F1XV」をフォルダごと①の「MSX - C-BIOS」等と同フォルダ(Machinesフォルダ内)にコピペする。
  • ③ 「MSX2+ - Sony HB-F1XV」フォルダ内には「config.ini」しか入っておらず、このままでは使用できない。
    使用できる状態に(HB-F1XVを完全再現)するには、以下のBIOSファイルを「MSX2+ - Sony HB-F1XV」フォルダ内に追加する必要がある。
    【システムBIOS】

    【機種固有BIOS】

    出来上がりのイメージとしては下図のような感じ。
    blueMSXから取り出したフォルダに、実機から吸い出したシステム関係&機種固有のROMファイルを追加する。


    HB-F1XVは所有しているものの、吸い出すのが面倒だという方は…MSX2+ - Sony HB-F1XV.zip
  • ④ MSX.emuを起動した後、「Options」⇒「System」⇒「Machine Type」と順にタップ、「MSX2+ - Sony HB-F1XV」を選択。これでC-BIOSではなく、HB-F1XVとしてエミュが動作するようになる。

    続けて、「Options」まで戻り「Video」をタップ、「Image Effect」を「Scale2x」に変更(「Overlay Effect」は「Off」を推奨)。

     
  • ⑤ 最初の画面まで戻り、「Load Game」をタップ、ゲームディスクのあるフォルダを指定し、ディスクデータ(○○○.dsk)を選択すると、ゲームが開始する。
    画面中央下部の[HB]キー押下で、キーボードが出現。その状態で[123]キー押すとF1~F5のファンクションキーと数字が出現。