最近、久々にAviSynthとHCencでDVDを作る機会があったため、久々に映像関係の話題です。

長らく元祖AviSynthを使用していましたが、この度64bit派生版であるAviSynth+に乗り換えました。

以下が参考にしたサイトです。

サイトの説明にもありますが、すでにAvisynth2.6等を使用している場合は、それをアンインストールし、新規でAvisynth+をインストールします。

プラグインはフロントエンドとして使用するアプリに依存しますので、「plugins+」(32bit用)フォルダと「plugins64+」(64bit用)フォルダの両方に相当するプラグインを入れておく方が無難でしょう。

※Avisynth2.6で使用していたプラグインは、そのまま「plugins+」(32bit用)フォルダに入れます。

これを機にプラグインのバージョンを更新したい場合や、64bit用を探したい場合は、以下から探すと比較的見付けやすいと思います。

 

 

 

さて、ここからが本題ですが、エンコードで使用するHCencのmatrixについて検証してみました。

matrixについてはちょっと説明が難しいので、こことかを参考にしてください。圧縮の指標みたいなものかな?

一般的に、高ビットレートではFOX1~3、中~低ビットレートではAVAMAT6、7の使用が推奨されているようですが、最高水準のFOX1と従前私が愛用していたAVAMAT6を比較してみたいと思います。

1. 4000+ --> FOX1
2. <4000 --> FOX2 or MPEG_STD
3. <3500 --> CCE's default matrix
4 <3000 --> AVAMAT 6, QLB or other
5 <2000 --> AVAMAT 7 or other

如何でしょう?わかりやすいように、彩度を調整したり、300~500%に拡大したりしていますが、AVAMAT6はディザあり誤差拡散法のようなザラついた質感で、FOX1は比較的粒子感を抑えたツルっとした質感が特徴です。

特に4つ目のヘリ画像のグラデーションの濃淡表現で、その違いが顕著に出ているのではないでしょうか。

5つ目の水色枠内の木製ルーバーは、AVAMAT6だとルーバーの横ラインが崩れ、下部の影も階調が荒いですが、FOX1だと横ラインの崩れもなく、影の濃淡も自然なことから、映画のDVD化にはFOX1のツルっとした画質に、コントラスト等の微調整を施すのがベストなのかもしれません。

ただし、FOX1が常に最良というわけではありません。

4K(等倍)とSD(500%拡大)を比較したところ、FOX1では時計塔の左右の凹凸が消えてしまっており、AVAMAT6に分があるのは明白です。SUBWAYも同様です。

4K(3840*2160)の解像感をDVD用SD(720*480)で再現できるはずもなく、解像を重視すればジャギーが目立ち、自然な見栄えを重視すれば眠くなる…結局は用途に応じて使い分けるよりほかないといったところでしょうか。

 

SI〇MAの変態カメラのような超解像と、階調豊かなとろけるようなボケがバランス良く組み合わってこそ、見るものを魅了する映像に仕上がります。
FOX1とAVAMAT6、それぞれの特性を正しく理解し、適切に使用することで元動画の雰囲気くらいは再現できればようになりたいですね。

 

最後に私琉のDVD作成方法を載せておきます。

  1. ソースとなる動画をAviSynth&HCencを使用し、m2vにエンコードします。
  2. Premiere Proを使用し、動画からWAVを抜き出します。
  3. WAV to AC3 Encoderを使用し、WAVを192kbpsのAC3にエンコードします。
  4. m2vとAC3を用いて、DVD ArchitectでDVD9にオーサリングします。

    ※2層DVDに焼く場合はこれで完了、1層DVDに焼く場合はDVD ShrinkでDVD5にトランスコードします。DVD Shrinkはフリーソフトですが、DVD5のトランスコードはCloneDVD2、DVD2one、Super DVD Zcopy等の市販ソフトより優れています。

  5. BurnAwareでDVDに焼きます。
    ※何年も前に開発が終了しているImgBurnより使い勝手がよく、焼き品質も安定しています。