こんにちは!
今日は子育てネタです。
先日受けた娘の発達検査の結果が出ました。
検査結果を聞いて
やっぱりね、というものも
そうだったの?!というものも
両方ありました。
またフィードバックを聞いて
娘にとって良い形とは?についても専門家の方に相談しながら考えていけることが何より心強いことだと改めて感じました。
また一つ娘のことを知ることができ、
我が子理解が一歩前進です。
結果をお伝えする前に、我が子が受けたウィスク検査についての話をしたいと思います。
ウィスク発達検査とは
ウィスク発達検査とは
ウェクスラー式知能検査のひとつで、70年以上の歴史をもち世界20カ国以上で使用されている信頼性が高い検査です。
全体的な認知能力を表す全検査IQと「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」などの指標で測る数値化した結果を得ることができます。
検査は公認心理士や臨床心理士と呼ばれる専門家と受検者の1対1形式で行われ、所要時間は60~90分程度。
子どもにおけるWISC検査の目的は、
子どもの得意なこと(強み)と苦手なこと(弱み)を把握し、子どもに合った関わり方やより伸ばすと良いポイントを知ることです。
強みと弱みが分かれば、親をはじめ周囲の支援する側も一人ひとりのニーズに応じた綿密な支援計画が立てていくことができ、行動面や社会性に対する支援の手立てを考えていけるようになります
ウィスク4からウィスク5へ
今回我が家の子どもたちが受けた検査はWISC-V(ウィスク5)です。
ウィスク5は、2022年2月にWISC-IV(ウィスク4)から改新された最新版の検査です。今最も日本で普及されているウィスク4が発売されたのが2011年1月なので改訂は実に11年ぶりとのこと。
こうした検査は、最新版を受けることを個人的にはおすすめします!
なぜなら、子どもの“今”の姿というのは、子どもを取り巻く生活・学習・社会環境などに応じて時代と共に変化するものだからです。
改訂版が出るということは、より今の時代に沿った検査内容になっていることになります。
実際に今回の改訂では、
知能や認知能力のさまざまな構造モデル、各分野の研究の成果、実践家庭の実際のニーズなど多くの点が考慮されていて、検査の構成や子どもが興味を持ちやすい素材の使用など検査の根幹をなす部分に大きな変更がありました。
世に出回って新しいので今はまだ従来のウィスク4でしか検査が取れない事業所も多いようですが、これから順次ウィスク5へと移行されていくはずです。
- 我が家の子どもたちが受けたのは、幼少期からお世話になっている比較的大きな(地域の中核を成す)発達センターでしたので、運良く最新版で検査してもらうことができました
ちなみに予約してから2ヶ月後の実施でした
ウィスク4からの変更点
- ウィスク4から今回変わった点は大きく分けて主に3つです。
〈ウィスク4からの変更点〉
①4つの指標が5つの指標にふえた点
②ワーキングメモリの指標において、聴覚的短期記憶だけでなく視覚的短期記憶も評価するようになった点
③指標を構成している下位検査の変更
その結果として、全検査IQ(FSIQ)はより理解しやすくなった、と思われます。
1つひとつ見ていきます。
4つの指標が5つの指標にふえた!
これまで【知覚推理】とまとめられてきた指標が【視空間】と【流動性推理】の2つの指標に分かれ、より詳細な視点から数値を測ることができるようになりました。
これまで知覚推理の指標は物事を論理的に考えたり、状況を理解する力を測るものとされてきました。
わかりやすく言うと、目にする情報から適切な答えを推理する力のことです。
それが目にした物を理解する力(→視空間)と与えられた情報をもとに適切な答えを推理する力(→流動性推理)という二つの側面から見ていくことができるようになりました。
【視空間とは】
空間にある物を把握して・認知する力のこと。つまり物のある場所、形、大きさ、向き、物体どうしの位置関係(図形の回転や形の整理など)などを非言語タスクですばやく正確に認知する力のこと。
【流動性推理とは】
図や絵柄などの非言語タスクの特徴を正確に把握し、それらの関係性や規則性などを推理する力のこと。
つまり持っている知識や経験では解決できない、初めて見た問題や場面状況でどう行動すべきか?と考えるアイディアや問題解決力のこと。
苦手な子が多いとされる暗黙のルールもこれにあたります
今まで知覚推理が低いと出ていた子の中でも、“目にした情報をうまく捉えること”が苦手なのか?
“その情報を使って推理すること”が苦手なのか?
までは曖昧でしたが、双方の観点から数値を出すことによってより詳細に、具体的に本人の困り感を絞ることができるようになりました。
これは快挙です
ワーキングメモリ指標の二分化
ワーキングメモリの指標に関しては、これまでは主に視覚的に見ていたものが、視覚的、聴覚的の2方向からの視点で見ることができるようになりました。
つまり、今までは“耳から聞いたこと”をどれくらい覚えられるかで測っていたものが“目で見たこと”をどのくらい覚えていられるかの力も測定できるようになったわけです。
実際の生活で言えば、
言われたことはすぐ忘れてしまうけどメモに書いてあげれば忘れない、などの支援が可能になりますね!
下位検査数の統一
これまで下位検査として言語理解の指標にあった2項目(語の推理、絵の完成)はなくなり、
新たに絵のスパン(ワーキングメモリ指標)、パズル(視空間指標)、バランス(流動性推理指標)という3つの項目が増えました。
これによりウィスク5の指標と下位検査は
▣ 言語理解(VCI)→類似、単語
▣ 視空間(VSI)→積木模様、パズル
▣ 流動性推理(FRI)→行列推理、バランス
▣ ワーキングメモリ(WMI)→数唱、絵のスパン
▣ 処理速度(PSI)→符号、記号探し
となり、ウィスク4では各項目で異なっていた下位検査の数が、ウィスク5では全項目の下位検査の数が2つに統一され(赤字が今回新たにプラスされた検査)、FSIQを含め11の合計得点が算出できるようになりました。
ウィスク検査の解釈
ウィスク発達検査の解釈は、
数値100を平均として考え各項目の点数のばらつきによって凸凹具合を見ていきます。
凸の部分はその子の得意とする分野、
凹の部分はその子の不得意とする分野と考えられます。
例えば、
言語理解が高い
=言語情報を正確に理解したり、伝達することができる。語彙や知識が豊富
ワーキングメモリが低い
=耳から聞いた情報や目で見た情報を一時的に記憶し、その情報を使って頭の中で処理をする力が弱い
(具体的にはいろいろな面で忘れやすい、指示や説明が長いと大雑把な記憶になってしまう、注意力や集中力が低い、ケアレスミスをする、考えながら作業する力が弱いので衝動的になる、などがあります。)
と言ったような解釈ができます。
また、本人の総合的な知的能力の評価である全検査IQの値も出るので総合的な能力を測る知能検査の意味も持ちます。
知能検査として、総合IQの値が70以下かそうでないかを基準に知的障害の可能性も測れるようですが、ウィスク検査では逆にIQ100の平均値やそれ以上であっても各指標間の数値のバラツキ(凸凹)が大きければ大きいほど、その子にとって困り感がある、という捉え方になり、全検査IQの解釈はあまり意味がないこともあるようです。
知的に問題はなくとも、情緒的、またはその他の観点から発達障害(高機能自閉症なども)と診断されることもあるし、発達障害グレーゾーンの子のように明確な診断はされていないけど明らかに困り感のある子もたくさんいますよね。
ウィスク検査の結果の解釈では、
IQ値を知ること以上に凸凹の開き具合を見ることで、得意な部分(強み)と苦手な部分(弱み)を把握し、子どもの困り感を知り、より良い支援方法の手がかりを探るという考えが大切になります。
ちなみに、発達センターでの検査ではいくら検査結果に凸凹が見られても明確な診断はおりません
なぜなら診断を下すのは医師の仕事だからです。
検査者は公認心理士ですが、検査の目的が発達障害なのかどうかの診断を明確にしたい場合などは病院やクリニックなど専門の医師のいるところで検査を受けましょう。
余談になりますが、私が発達検査を受ける理由は
先日ブログにも書いたように
↑
こんな理由からです。
我が子に診断名がおりるかどうか、
全く気にならないかと言えば嘘になりますが、
1番は、育てづらいなぁと感じる我が子の困り感がどこにあるかを知りたい、
知って適切な支援やサポートをしながら本人が生きやすい環境を整えていきたいと思うから発達検査を受けています。
親子関係を良好に保つことを第一優先に、
今後も専門家や周囲の人々の目と手を借りて我が子を育てていけたらいいなと思っています。
実際の検査結果に関してはながくなったので
またの機会に書こうと思います。
読んでいただきありがとうございました