ほぼ寝れずに朝が来た。

泣き過ぎて、目が今まで見たことないくらい腫れてた。

 

その日の昼過ぎには退院だったから、朝一で血圧測定や採血、尿検査をした。

 

その時来てくれた助産師さんが、

朝焼けがすごくきれいですよ、と病室の外に連れ出してくれたんだけど、

本当はその数分ですらNくんと離れたくなかった。残された時間を1分も無駄にしたくなかった。

でも、わたしを励まそうとしてくれた助産師さんの気遣いは嬉しかった。

 

朝ご飯の後シャワーを済ませて、夫が面会に来て一緒にNくんのお着替え。

本当はお家に帰る時に着せたい洋服があったんだけど、まさかこんなことになるとは思わず

まだ家から実家に持ってきていなくて、甥っ子たちが着たお下がりのお洋服にお着替えしたね。サイズぴったりで似合ってた。

 

またちょっとうんちが出ていたから、2回目のおむつ交換をして、お着替えはほぼパパがしてくれた。

私は写真と動画を撮っていたんだけど、Nくんとパパの2人の光景がすごく愛おしくて、その時は悲しさよりも、かわいさと幸せがまさっていた。

今その動画を見ると涙が止まらないんだけど…

 

こんな光景がずっと続くと思ってた。

当たり前のようにくると思ってた。

なんでこんなことになったんだろう、

なんで私なんだろう、って

幸せを感じているときでもふと我に返って涙が止まらなかった。

 

午後一で先生に診察してもらい、

出血や子宮に問題なかったためそのまま退院。

 

夫と両親が迎えに来てくれ実家に帰ると、姉家族がNくんを迎える準備をしてくれてて、座敷いっぱいにNくんや私たち夫婦の写真、Nくんのいとこになる私の甥っ子姪っ子の写真など、たくさん飾り付けがしてあった。

おもちゃとかおやつ、ファーストシューズも置いてた。

こんなに準備してくれてるとは知らず、Nくんはこんなにみんなに愛してもらって幸せ者だと思った。

Nくんもきっととても喜んでたと思う。

 

そして、夫がちょっと出かけようと誘ってくれたので、2人でドライブがてらビーチへ。

私が里帰りしてから約1ヶ月会ってなくて、久々に会ったのが病院で死産の説明を受けたときだったから、久々の2人の時間だった。

本当はNくんも連れて行きたかったけど、雨が降っていたので2人だけでお出かけ。

その間Nくんが寂しくないように、家族がずっと一緒にいてくれてた。

特に何を話したわけでもないけど、夫が笑わせてくれたりして少し心が落ち着いた。

 

その日の夜は、親戚がNくんの顔を見に来てくれた。

みんな、私の名前を呼んで抱きしめてくれて、たくさん泣いてくれて、励ましてくれて、笑わせてくれて、悲しみがなくなることはないけど、私にはこんなにたくさんの応援団がいるんだ、頑張らなきゃ、と少し救われた気がした。

 

その日の夜は、最初で最後の家族3人での時間。

Nくんを真ん中に寝かせて川の字で寝たね。

3人でいっぱい写真撮ったね。

夫は横ですやすや寝ていたけど、わたしは寝れるわけなく、ずっとNくんとお話ししたり抱きしめたりして夜を過ごした。

 

明日の15時には火葬。

 

明日になってほしくなかった。