病院で検診を受けたその日の午後から緊急入院となった。
私は里帰り中で夫は不在だったため、
医師からの説明は母と姉が付き添って聞いてくれた。
死産の場合、母体が赤ちゃんを「異物」と思い母体が危険な状態になるため、
できるだけ早く赤ちゃん出してあげないといけない、と説明があった。
昨日まで生きていたのに「異物」なんて…
私の大事な赤ちゃんをそんな言い方しないで。
この「異物」という言葉がすごく強烈で今もずっと頭に残っている。
夫はその日の夕方の飛行機で来てくれて、
会った瞬間抱きしめてくれて、
「1人で怖かったね、一緒にいてあげられなくてごめんね。」と声をかけてくれた。
いや、私こそ安易に里帰り出産を選んでごめん。
赤ちゃんが元気に産まれてくることしか考えていなかったから、
出産後助けてくれる親や姉がいる環境を当たり前のように選んでいた。
こんな時に一緒にいれなかったのは私もとても辛かったから、
里帰り出産を選んだことも後悔した。
入院してすぐ、子宮口を開くために器具を入れ数時間過ごした。
この器具を入れる時も痛かったけど、特に取り除く時が激痛で辛かった。
明日の朝子宮口が開いていなかったらまたこの作業があるのか、と憂鬱だった。
その日の夜はもちろんご飯は喉を通らず、
何が起きているのか理解できないまま時間が過ぎていった。
ただ、それでも涙は止まらなかった。
もちろん夜も眠れない。
お腹にいるNくんに何度も
「ごめんね、ママのせいでごめんね、苦しいね、早く出してあげるからね。」
と声をかけながら夜を過ごした。
まだNくんが亡くなっているなんて信じられなくて、
何度もお腹をツンツンしてみたり横に揺さぶってみたりしたけど何の反応もなくて、
その度に現実を突きつけられて、もうどうしようもなく辛くて悲しくて、
ただただ泣いて過ごすしかなかった。