ロシアによるウクライナ侵攻を非難する声明
ロシアによるウクライナ侵攻を非難する声明
私たち世界連邦運動協会は、武力によらない平和的解決を求める国際社会からの再三の呼びかけにもかかわらず、ロシアが応じず、ウクライナへの侵攻を開始したことを非難します。いかなる理由を掲げたとしても、武力による現状変更は、国連憲章第2条に定められている「国際紛争の平和的解決」をはじめとする国際法に明白に違反しています。
また、プーチン大統領が「ロシアに介入しようとする者たちに、ロシアは即時に対応し、それは歴史上かつてないほどの帰結をもたらすだろう」と述べ、核兵器使用をほのめかし、威嚇を行なっていることにも怒りを禁じえません。
私たちは1948年8月6日、広島被爆3周年を機に発足して以来、国内外の関係諸団体と協力し、一貫して核兵器の廃絶を訴えてきました。物理学者アインシュタイン博士は、日本初のノーベル賞受賞者となる湯川秀樹博士と会い、「私の理論のためにあなたの国に原爆が落とされて申し訳なかった」と言って涙を流し、その後ともに世界連邦実現のために力を注ぎました。創生期において核物理学の最先端の学者たちも活動の中心にいたことが当団体の特色です。世界規模・地球規模の安全保障体制を創設し、核なき世界を実現することが私たちの目標です。
私たちは核兵器のない世界、核の必要のない世界を目指しておりますが、たとえ核保有国がただちに核を廃絶できないにしても、徐々に核の保有数と役割を減少させ、核のない世界に向かうことが保有国の責任です。核拡散防止条約(NPT)の第6条においても「全面的かつ完全な軍縮に関する条約交渉を行うことを約束する」との誓約を確保しています。今回のプーチン大統領のように、核兵器による威嚇をもって自国の主張を通そうとするならば、核非保有国も核を保有して国際紛争において自国に有利に進めようと考えかねません。核兵器保有国が核をなくす努力をせず、ましてや核による威嚇さえ行うならば、非保有国の核開発を止めようとする主張は説得力を持ちません。
私たちはロシアに対して、ウクライナ領土から早急に軍を撤退させるとともに、ウクライナの領土と主権を尊重するように強く求めます。また、市民を殺傷し、生活環境を破壊する事態の回避を強く求めます。
国際社会は、世界の平和と安全を脅かす暴挙を断固許さず、国連憲章・国際人道法・国際人権法を遵守し、対話と交渉による解決が図られるように一致協力するべきです。
註 世界連邦運動協会は、1948年発足当時、「世界連邦建設同盟」(初代会長尾崎行雄)と称していました。