選挙物語(再) | アトラス塩浜のブログ

選挙物語(再)

選挙物語・1

 小さい頃、選挙カーに手を振ると、「手を振ってのご声援、ありがとうございます」と言ってくれるのが面白かった。
 その後、もう少し大きくなって、義理で選挙カーに手を振ると、選挙カーの人が嬉しそうに答え、笑顔を見せるのを見て、「手を振ったからと言っても、票を入れるとは限らないのに、単純だなあ」と思ったりした。

ある県の少し山間部に入った市の市議会議員選挙の応援をした。
(このブログは2008年の再放送)
候補は、その市で代々店をやっていた人の息子。
その店の周辺地域では名が知られていたが、他の地域では知られていなかった。

選挙カーに手を振るなんてのは、実際の支持や投票行動とは何の関係もないものだと思った。
愛想の良い人は、誰にでも手を振るし、誰にでも頑張って、というものだと思っていた。

ミクロ的にはそういう面もあるかも知れない。
しかし、マクロ的には、候補が住み、店をやっていた地域と、それ以外の地域では、全く反応が違うのだった。

他の地域では全く無反応。
「なんだよ、若造が、急に出てきやがって」というような反発すら感じる。
どこへ行っても無反応で、あまりにもむなしかった。
地元に来たとたん、急に手を振る人が多くなり、また、表情も違うのである。

候補は、
「ありがたい、地元は本当に温かい」
と言いながら目に涙をにじませている。

こういう体験が必要だと思う。こういう体験を通じながら、「この人たちのために頑張ろう」と心に誓うのではなかろうか。
最初は、少々「議員になることができたらかっこいいな」という不純な動機が混じっていても、選挙を通じて励まされ、感動し、みんなの願いを聞き、本当の政治家になっていくのだと思う。


オタクのコーナー
最近、AKBの真似だか何だか知らないが、アイドルのイベントをやたらめたら「××争奪」という選挙にしてしまうのが流行している。

たとえば、10人くらいのモデルがいて、どのアイドルの水着姿を撮影しても良くて、最後に一番気に入ったアイドルの名前を書いて投票。

私以外の有権者(カメラマンのこと)は、どのモデルを撮影しても良いにもかかわらず、ずっとお気に入りのアイドルしか撮影しないのである。
まるで公明党や共産党の支持者のように、自分の支持政党を明確にしているのだ。

1人にしぼるくらいなら、リアルな彼女を作れば良いではないか。
アイドルの良いところは、今日はこのアイドル、明日はあのアイドルというようにあれこれ楽しめる点にあると思っているのに、この「固定票」ぶりは何だ。

こうやってアイドルへの忠誠心を見せているつもりだろうが、アイドルの側がこれが嬉しいのだろうか?

彼女らの気持ちは知らないが、私なら
「あなたのことしか見ていない」
よりも
「いろいろたくさん見たが、やっぱりあなたが一番」という方が嬉しい。