中学の英語テスト 悪問にあなたも挑戦してみませんか
入試とか業者テストがまあまあ練られているのに対して、学校内での中間テスト、期末テストなどの定期テストは質が悪い。
中学校の先生は、勉強を教えるだけでなく、生活指導、部活動の指導、修学旅行や文化祭などの運営も行うので大変なのはわかるが、それでもひどい問題が多い。
このたび目にした悪問の例。
()にあてはまる語を後のア~オから選び、記号を書け。
It looks like ( 1 ),but it's not. It is ( 2 ). People call it ( 3 ),too.
It's (4) in Japan now,but it is ( 5 ) in New Zealand.
ア spring イ fall ウ Mt.Egmont エ Mt.Taranaki オ Mt.Fuji
これは、英語の力がいくらあっても、現在のニューホライズンの中学2年生用の教科書を読んで覚えていない人には解けない。
1と2と3には、ウ・エ・オのどの山を入れても文法的に成り立つ。
また、2のことを「人々はそれを3とも呼ぶ」とあるのだから、論理的に2と3は入れ替えても本来全く問題ないはずなのだ。
また、日本とニュージーランドでは季節がほぼ逆になるとしても、4と5はどちらがどちらでも成り立つ。
これは教科書のユニット2にあり、授業では春に習うことが、前提となって、4がspring5がfallであるが、期末テストでここが出題される時には日本は夏である。
実はこの後、山の頂上に雪があるという文があるので、仮に選択肢がsummer と winterならまだ何とかなるが、春と秋が選択肢では、頂上に雪があるのは、どちらでもありそうである。
この問題を作成した教師にしてみれば、「教科書の全文を暗記するくらい何度も音読すればできるはずだ」とでも言いたいのであろう。
私も、英語、古文、漢文などについて、全文暗記するくらいに何度も音読することには賛成だし、生徒にも奨励している。
だが、音読の反復や全文暗記は手段であって、目的ではない。
どうせ穴埋めさせるなら、前置詞でも穴埋めさせれば良い。
前置詞は理屈による理解も必要であるが、当初は何度も音読して身につけることが有効である。
今回引用した穴埋め問題が解けるようになったところで、英語の実力を高めることにはつながらず、汎用性もない。
ついでに言うと、このテストの対話文の問題がまた笑える。
対話の空欄に当てはまる文を選び、記号を書くのであるが、
May I ask you a favor ?
No problem.
など、入れる文の長さに応じて空欄の長さが異なるので、答えがバレバレなのだ。
かなり自信を持って推測する。
まず、空欄に英文を書かせるつもりで、文の長さに応じた空欄を作った。
ところが、対話文というものは、文章用の文と異なり、日本語にするとなんだかわからないものが多い(例 Here you are. やWhat's up?など)。おまけに、 頼みごとに対する答えなど、No problem.とかAll right. とかSureとかいろいろあり、この中で一番難しそうなNo problem..を知っているか聞きたくても、All right. とかSureを×にするわけにもいかない。
そこで急遽予定変更、記号で選ぶ問題に変えたのだろう。
これは私も賛成で、対話文問題は記号による選択にしないと、「ええ、どうぞ」なんて言っても出題者が何を聞きたいかわからなくなってしまう。
これは別のテストであるが、May I help you?を聞きたいつもりの問題で「いらっしゃいませ」には参った。
確かに店に来たお客さんにMay I help you?ということは多いであろうが、道に迷ってウロウロしている人にもMay I help you?と言うわけであって、「いらっしゃいませ」という訳は良くない。いや、英語から日本語にするなら、「いらっしゃいませ」で丸にするが、「いらっ しゃいませ」という日本語によってMay I help you?を書かせるのは悪問である。
ということで、記号選択にするのは良いのだが、それなら記号が入れば良いのだから全部同じ大きさの空欄にすれば良かったのである。
こういう配慮のなさから考えて、「ア spring イ fall ウ Mt.Egmont エ Mt.Taranaki オ Mt.Fuji 」を入れる問題も、別に私が思い描けなかったような深い考えがあるのではないだろう。
日程間際にやっつけ仕事でいい加減に作った問題なのではないか。
中学校の先生は、勉強を教えるだけでなく、生活指導、部活動の指導、修学旅行や文化祭などの運営も行うので大変なのはわかるが、それでもひどい問題が多い。
このたび目にした悪問の例。
()にあてはまる語を後のア~オから選び、記号を書け。
It looks like ( 1 ),but it's not. It is ( 2 ). People call it ( 3 ),too.
It's (4) in Japan now,but it is ( 5 ) in New Zealand.
ア spring イ fall ウ Mt.Egmont エ Mt.Taranaki オ Mt.Fuji
これは、英語の力がいくらあっても、現在のニューホライズンの中学2年生用の教科書を読んで覚えていない人には解けない。
1と2と3には、ウ・エ・オのどの山を入れても文法的に成り立つ。
また、2のことを「人々はそれを3とも呼ぶ」とあるのだから、論理的に2と3は入れ替えても本来全く問題ないはずなのだ。
また、日本とニュージーランドでは季節がほぼ逆になるとしても、4と5はどちらがどちらでも成り立つ。
これは教科書のユニット2にあり、授業では春に習うことが、前提となって、4がspring5がfallであるが、期末テストでここが出題される時には日本は夏である。
実はこの後、山の頂上に雪があるという文があるので、仮に選択肢がsummer と winterならまだ何とかなるが、春と秋が選択肢では、頂上に雪があるのは、どちらでもありそうである。
この問題を作成した教師にしてみれば、「教科書の全文を暗記するくらい何度も音読すればできるはずだ」とでも言いたいのであろう。
私も、英語、古文、漢文などについて、全文暗記するくらいに何度も音読することには賛成だし、生徒にも奨励している。
だが、音読の反復や全文暗記は手段であって、目的ではない。
どうせ穴埋めさせるなら、前置詞でも穴埋めさせれば良い。
前置詞は理屈による理解も必要であるが、当初は何度も音読して身につけることが有効である。
今回引用した穴埋め問題が解けるようになったところで、英語の実力を高めることにはつながらず、汎用性もない。
ついでに言うと、このテストの対話文の問題がまた笑える。
対話の空欄に当てはまる文を選び、記号を書くのであるが、
May I ask you a favor ?
No problem.
など、入れる文の長さに応じて空欄の長さが異なるので、答えがバレバレなのだ。
かなり自信を持って推測する。
まず、空欄に英文を書かせるつもりで、文の長さに応じた空欄を作った。
ところが、対話文というものは、文章用の文と異なり、日本語にするとなんだかわからないものが多い(例 Here you are. やWhat's up?など)。おまけに、 頼みごとに対する答えなど、No problem.とかAll right. とかSureとかいろいろあり、この中で一番難しそうなNo problem..を知っているか聞きたくても、All right. とかSureを×にするわけにもいかない。
そこで急遽予定変更、記号で選ぶ問題に変えたのだろう。
これは私も賛成で、対話文問題は記号による選択にしないと、「ええ、どうぞ」なんて言っても出題者が何を聞きたいかわからなくなってしまう。
これは別のテストであるが、May I help you?を聞きたいつもりの問題で「いらっしゃいませ」には参った。
確かに店に来たお客さんにMay I help you?ということは多いであろうが、道に迷ってウロウロしている人にもMay I help you?と言うわけであって、「いらっしゃいませ」という訳は良くない。いや、英語から日本語にするなら、「いらっしゃいませ」で丸にするが、「いらっ しゃいませ」という日本語によってMay I help you?を書かせるのは悪問である。
ということで、記号選択にするのは良いのだが、それなら記号が入れば良いのだから全部同じ大きさの空欄にすれば良かったのである。
こういう配慮のなさから考えて、「ア spring イ fall ウ Mt.Egmont エ Mt.Taranaki オ Mt.Fuji 」を入れる問題も、別に私が思い描けなかったような深い考えがあるのではないだろう。
日程間際にやっつけ仕事でいい加減に作った問題なのではないか。