テロ対策より防災を +デビルマンから考える全体主義 | アトラス塩浜のブログ

テロ対策より防災を +デビルマンから考える全体主義

■衣類も透視、不審物見逃さず…成田で実証実験
(読売新聞 - 07月05日 11:53)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1265380&media_id=20

「テロ対策のためには仕方ない」
そう言って安易に人権侵害を受け入れてしまう風潮が怖い。

命は大切だ。
だから、命に危険があるかも知れないという名目さえあれば、高速道路に監視カメラがつき、警察が電話を盗聴し、飛行場では衣服を透視する。

私も
1 ある方法によってしかテロの危険を防ぐ有効な手段はなく、
2 その方法を使えばテロをほぼ完全に防ぐことができる
ならば場合により人権制限による手段もやむをえないと考えるだろう。

しかし、具体的に飛行場の衣服透視はどうか。
おそらく、テロリストはまた別の手段を用いる。
そもそも、飛行場をいくら警戒しても、新幹線は、バスは、・・・手はいくらでもある。
飛行機の面倒な搭乗手続きには皆さん慣れているようだが、通学通勤のバスや電車で一々同じようなチェックがあったら受け入れるか?

山手線へのテロは飛行機へのテロと同等以上の被害が出る。

狂信的宗教によるテロリストならば、8月15日あるいは正月の靖国神社を狙うかも知れない。
人がごったがえしていて、パニックによる二次被害もありうるし、神社に金属探知機を置くわけにもいかないだろう。
おまけに一部のアジアの人々からは称賛の声すら上がるかも知れない。

何が言いたいかというと、どんなに人権制限をしてテロに備えようとも危険性をゼロにすることは不可能であって、どこかで開き直るというか、折り合いをつけることが重要なのである。

そもそも、現在の東京の状況では大地震が起きたらかなりの死者が出る。私が死ぬ可能性、あるいは今これをお読みの人のうち東京23区に住んでいるあなたが死ぬ可能性は、私やあなたがテロで死ぬ可能性の何百倍もあるであろう。
たいして効果がなさそうな衣服透視よりも、防災対策の方が重要ではないか。

私は飛行場における衣服透視に反対する。
たとえ自分や自分の愛する人がテロで死んだとしてもこの気持ちは変わらない。


以下、関連して過去のブログ再放送。

デビルマンというマンガがある。
テレビで放映されたものと原作漫画は随分違う。原作漫画はすごい結末なのだ。

はじめのころは、人間を守るために正義の味方=デビルマンが悪魔と戦う。これはまあ、ウルトラマンが怪獣と戦ったり、仮面ライダーが悪の秘密組織ショッカーと戦うようなものである。

が、悪魔はすごい作戦に出る。堂々と人類に宣戦布告し、5分間だけ一斉攻撃をして去っていく。
人類は大損害を被るが、科学の力で悪魔と戦うための対策部隊を作る。
おお、これは面白くなってきた。正義の味方ばかりに頼るのではなく、人類が自ら立ち上がるとは素晴らしい。武器も中々のものを持っている。かっこいい。

ところが、ここからは、中世の「魔女狩り」の世界。人類が互いに「あいつが悪魔だ」と疑いあい、殺し合い、勝手に自滅して滅ぶ・・・というひどい話なのである。正義の味方デビルマンも、オレはこんな人間のために戦っていたのかと悩み、最後はただのやけくそ。
人類の心の弱さを描いた名作である。

さて、私は共産主義・社会主義などの計画経済体制が大嫌いである。
1 計画経済のためには、国民の実態を把握する必要がある
2 1により必ず官僚機構が増大し、国民への監視が強くなる
3 権力者はその監視機構を単なる経済計画のためだけでなく、自らの権力の維持に用いる
4 その結果、旧ソ連や北朝鮮に見られるように、秘密警察が国民生活を監視し、権力に逆らう者が投獄されたり、殺されたりするようになる。

私は、愛する日本を4のような状態には絶対させたくなかった。
ソ連が日本に侵攻してきたら、日本も4のようになる。それなら私も命をかけてでもソ連と戦ってやる。また、妻や子供が人質に取られても、奴らに屈するつもりはないので、日頃からそれは妻・子供にしっかり言っておこう、と思っていた。

「デビルマン」のストーリーでは、人類は悪魔への恐怖から、自らが悪魔のような心と残虐性をもっていった。悪魔と戦おうとして、自らが悪魔同然になっていった。
私は右翼について、同じようなものを感じるのである。
共産主義国への恐怖のあまり、自らが同じようなことをしてしまっている。

例1
皆さん、「日独伊三国防共協定」なんてのがあったくらいだから、共産主義と戦う側の日独伊は、共産主義とは全く逆の思想を持っていたと思うかも知れない。
実は私が受験時代はそう思っていたのだ。
ナチスは社会主義であり、計画経済を目指すという点ではソ連と同じである。
ナチスの正式名称は、「国家社会主義ドイツ労働者党」である。おおっと、思い切りサヨクっぽい政党名。
また、満州に乗り込んでいった日本人の上の方や、国家改造をしようと日本軍に影響を与えた人々の思想は、「国家社会主義」である。
共産党指導の下、労働者・農民が革命を起こして計画経済をするのか、国家が計画経済をするのか、そこの違いだけであって、結局どちらも同じようなものである。

例2
悪魔を恐れて焦り過ぎると人類が悪魔同然になるように、ソ連や北朝鮮への恐怖にかられると、スパイや反国家的思想を取り締まろうとして、自らがソ連のスターリンや北朝鮮の金正日にそっくりになって、国民を監視し、異分子を排除するようになる。
イラク戦争反対のビラを配っただけで逮捕する。そこら中に監視カメラをつけて国民生活を監視する。果ては実行行為がなくても、共謀しただけで犯罪とするという「共謀罪」なる悪法を準備中だ。これでは、ソ連や北朝鮮が攻めてこなくても、日本が北朝鮮になってしまうではないか。
ニッポンは 金だけ持ってる 北朝鮮
なんていう川柳は悲しすぎる。

前回、「右翼を考える・1」で、私が受験時代のコンプレックスもあって、右翼的歴史観にのめりこんでいったことを書いた。↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=629524065&owner_id=2663509

しかし、私から見ると、右翼はどんどんソ連や北朝鮮と同じになっていく。
私は日本の右傾化への皮肉も込めて、「私はサヨクだ」と言っているが、本当は(私こそが自由主義者であり、右翼の大部分こそがサヨクだ)と思っている。
右翼よ、サヨクになるなかれ。
サヨクを恐れれば恐れるほど、自らがサヨクになるのである。

オタクのコーナー
マイミク愛$こと、鈴木まりえさんはよくツインテールという髪型(グドンに食われた怪獣のことではない)をしている。知人の女性にも「こういう髪型が好き」とせがむのだが、中々やってもらえない。「恥ずかしい」という理由をあげる人が多い。確かに29歳くらいの人でまりえさんのような服装・しぐさ・髪型の人は中々見当たらない。
それを考えると鈴木まりえさんはすごい。ぜひ、ほしのあきさんやさとう珠緒さんを超えていつまでも若くてかわいい格好をしていてほしい。