努力する小は大に負けない | アトラス塩浜のブログ

努力する小は大に負けない

努力する小は大に負けない

実例・1
私が塾をつくって1・2年間、テスト前などには、契約の何倍ものサービスをした。
中学生の場合、普段は夜7時以降にならないと、部活動などの都合で塾に来ることができないのだが、中間テストや期末テスト前になるともっと早く塾に来ることができる。
自分の家だと集中できないが、私の前なら集中して勉強できるという人もいる。
そこで、午後4時くらいには塾を自習室として開放、いろいろな学年ごちゃまぜではあるが、順に私が回って教えたり質問に答えたりした。
土曜日・日曜日には、こういうことを朝から晩まで行う。

大きい塾が、私に勝てるわけがない。大きい塾でこんなことができるはずがない。
私1人だから、何でもできるわけで、塾が大きくなったら、他の先生に長時間労働を強いることはできない。かと言って、長時間労働に見合う分の金を支払ったら赤字だ。
大きい塾では決められた契約通り、2時間なら2時間で終わりだ。

そう、私の塾だって、今は基本的に契約通りである。
(正確には、2時間契約なのに、私の授業は実際は3時間。大盛りが無料の蕎麦屋のようなものだ。)
昔の私が今の私を見たら、あざ笑うだろう。
今の私の方が、教え方も知識も断然上になっている。しかし、昔の私は生徒の人数が少なかったからこそ、1人1人の生徒についてものすごい労力をかけて面倒を見ることができた。
だから、SF的な話だが、同じ能力の生徒を昔の私と今の私が教えた時、どちらが勝つかはわからない。


実例2
市議会議員の選挙では、自民党や民主党など、大きな政党は7人とか10人とか、多くの候補を出す。
仲間同士で喧嘩にならないように、「区割り」ということを行うことが多い。市を地域ごとに分けて、この地域はAさん、この地域はBさん、この地域はCさん・・というように、縄張りを決めて、選挙カーで回るにせよ、演説するにせよ、ポスター貼るにせよ、自分の縄張りで行い、他の縄張りに踏み込まないことになっている。
これが区割りである。

私は「明日の政治家をつくる会」というものを作り、「組織もない、金もない。でも、政治を何とかしたいという情熱はある。」という人の相談に乗っている。
そういう人を民主党はよく受け入れてくれてありがたいが、無所属で挑戦する仲間も多い。
(脱線。応援演説をあちこちで頼まれると、民主党と無所属を混乱し、民主党候補のところでうっかり「こちらは無所属新人の・・・」と言いそうになることがある。)

無所属では何かと大政党よりも不利であるが、有利な部分もある。
第一に区割り、つまり縄張りがない。無所属の候補は市内どこにでもいける。だから他の候補の何倍もの労力をかける情熱があれば有利なのである。
第二に、政党所属の候補は、政党の親分がバカやると、政党全体のイメージが悪くなって、候補本人の努力を打ち消してしまう。
1999年にいろいろな地方自治体選挙があった。その前年の後半、民主党の菅直人代表がTという女性と不倫スキャンダルがあり、それまで大人気だった菅氏の人気が一気に下がった。この時は無所属候補の勝率が良かった。
1995年にも地方自治体の選挙があった。
この時、落ちた仲間がいたが、彼は日本新党が日本新党のままであれば当選できたであろう。(もちろん他の要素もあるのでこれだけの問題ではないが、ポイントを絞ってわかりやすくする)しかし、日本新党は民社党や公明党や新生党と合体して「新進党」になった。
国の政治ならば「自民党を倒すには合体も仕方ない。バイラス星人もガメラと戦う時に合体したし、ハカイダー4人衆もキカイダーと戦う時に合体した」ということになる。
が、自治体選挙では、合体しても旧公明党支持者は旧公明党候補、旧民社党支持の労働組合員は旧民社党候補に入れるわけで、支持母体のない旧日本新党候補は一般の市民を味方にするしかない。
その際には「新進党」より「日本新党」の方が断然イメージ的に有利だった。
もっと言えば、宗教票も労働組合票も入らないなら無所属の方が断然有利である。組織の都合による合体のあおりを政党候補は負わされる。

まだ実例はいくらでもあがるが、長くなるので、最後にわかりやすい例をあげよう。
やってないので「実例」ではないが。
皆さんは、吉野家やマクドナルドよりうまいご飯を提供できるだろうか。
よほど料理が下手でもない限り、提供できる人が普通だろう。
全国展開して大勢をマニュアルで動かすには、吉野家やマクドナルドのようなやり方にならざるを得ない。普通の人がちょっと努力すれば、吉野家やマクドナルドが隣にできても、負けてつぶれるということはない。いや、隣に来てもらえれば、こちらの存在も目に入ってありがたいくらいである。

「小さな政府」に反対する人は、すぐに「小さな政府」では、弱肉強食の世の中になる・・と批判してくる。
そう、その通り、弱肉強食にはなる。
しかし、誤解しないでほしい。
弱肉強食とは「小が大に負ける」という意味ではないのである。
私があげた例を読んだ皆さんにはおわかりいただけるはずである。


オタクのコーナー
地を走るメカ、空を飛ぶメカなどが合体して巨大ロボになる・・・というのが変身ヒーロー番組によくあるが、合体せずにバラバラに動いた方が強いと思う。

題名がわからないが、中国か何かのすごい映画だか番組だかを見たことがある。
手が不自由な武道家と足が不自由な武道家がいて、何と特撮変身ヒーローでもないのに、「合体?」するのである。
ギューンという音とともに、足の不自由な武道家が手の不自由な武道家の肩の上に飛び乗り、そのまま戦うのである。
私も発想は奇抜なつもりだが、この発想は思いつかなかった。
くれぐれも「障害者を差別している」などと弾圧して、これをつぶすのはやめてほしい。
変身ヒーローの合体ではなく、障害者武道家の合体。作者の発想に感動する。