難民問題の基礎知識+コスプレ | アトラス塩浜のブログ

難民問題の基礎知識+コスプレ

難民問題の基礎知識

いろいろなところで難民問題についての議論がなされますが、前提知識がないまま間違った議論をしている人が多いです。
私と結論が違っても構わないのですが、前提知識が完全に間違っていては議論になりません。

「ネットカフェ難民」・・・ア
とか、「経済が崩壊して難民が大量に押し寄せてくる」・・・イ
などという言い方がよくなされているので、間違うのも無理はありませんが、この使い方は正式には間違いです。

金がなくて経済的に苦しくて、「どこか住める所はないか、食える所はないか」と移動した人々を、俗には難民と言うこともありますが、「難民条約」とか、「日本はもっと難民を受け入れるべきか」というような議論での「難民」は全く違う意味なのです。
私からすれば、アやイのような「難民」という使い方は誤解を招くのでせめてニュースや政治討論番組では廃止してほしいほどです。

正式な「難民」とは、政治思想などが理由で本国にいたら生命・身体に危険が及ぶ者を言います。金があるかないかは関係ありません。
金がなくて経済的に苦しくて、「どこか住める所はないか、食える所はないか」と移動した人々のことは、正式には難民とは言わないのです。

だから難民保護は、「社会福祉」や「生活保護」のようなイメージでとらえないでください。
むしろ、ストーカーに追われている女性をかくまうとか、ショッカーから拷問されている途中で脱出したような人をかくまうことにイメージ的に近いです。

そして、難民条約に入った国は、本当の難民である限りは必ず助けなければならないのです。いやなら難民条約から抜けるしかありません。そういう議論ならば、私とは価値観が違いますが、まだしもわかります。
難民条約に入っている以上、「受け入れるべきか」もくそもなくて、受け入れなければならないのです。

「そんなこと言っても、この不景気で国内でも苦しんでいる人がいるのに、なんで外国から食い詰めてきた奴を助けなければいけないのだ。」というような議論は難民受け入れの問題に対する発言としてはピント外れなのです。
外国人労働者受け入れ問題と間違えているのではないでしょうか。

経済問題ではないのです。
アやイの用法は間違っているのです。
たとえその外国人が金持ちであっても難民は難民なのです。
自国にいたら政治弾圧で殺されそうな人が難民です。

難民である以上は受け入れなければならないのです。それが条約上の義務です。
だから「受け入れるべきか」もヘチマもないのですが、日本政府、特に法務省には恐るべき裏技がありまして、「難民を受け入れない」という代わりに、「この人は難民ではない」という手に出ます。
難民を受け入れないのは反則なので、「難民ではない」という認定でいく。
UNHCR国連難民高等弁務官事務所がちゃんと認定した難民を日本政府が、「いやいやこの人は難民ではありません」などと言って危険な国に送り返しているので、UNHCRも怒ります。

また、相手先の国に、「この人は本当に難民でしょうか」と聞くという変なこともしています。これは、家庭内暴力がひどくて妻が逃げてきたら、夫に「本当にあなたは妻に暴力をふるっていますか」と聞くようなものです。
もちろん夫が否定すると、「そうですか、じゃあ家庭内暴力はないのですね」と言って妻を夫のところに送るようなことをしています。その後どんな目に遭わされることでしょう。

「日本は難民受け入れの数が少ない」
と言うと、日本政府は得意の弁明があります。
「数が少ないのは日本語の特殊性。日本語ができる外国人が少ないので難民申請の数自体少ない。申請と受け入れの比率で言えば、日本は決して受け入れ率は悪くない」

そりゃあ、原因結果が逆で、まともに受け入れず、政治弾圧している相手先にこちらの情報をペラペラしゃべり、しばしば受け入れずに送り返すようでは、そんな日本に申請しなくなるのは当たり前です。

それでも「日本に逃げてきてから60日以内に申請すること」という条件がなくなるなど、ほんの少しだけましになってきた面もあります。

私としては、日本は軍事力はない代わり、難民受け入れなどの人道面で国際的に尊敬される国になってほしいです。

用語の紛らわしい間違いとしては、「ビニール」とか「プラスチック」などの用語は化学的に間違っていることが多いのですが、そのあたり化学の専門家は気になっているものでしょうか。


オタクのコーナー
よくウルトラマンや仮面ライダーのことを「アニメ」という人がいるが、アニメではなく、特撮である。
私は特撮は詳しいが、アニメのことはほとんど知らない。ガンダムも宇宙戦艦ヤマトもよく知らない。
コスプレイヤーの中にはアニメやゲームオタクは多いが、特撮オタクが少ないのではなかろうか。
私としてはアンヌ隊員やハチ女、あるいはシュシュトリアン、ポワトリンなど特撮ヒロインのコスプレを見たいのだが、あまり見かけない。