寺島実郎氏講演録・2
昨日に続き、寺島実郎さんの講演録です。
今回は主にアメリカサブプライムローンなどの話です。
経済活動が完全に国境を越えてバンバン行われているのに、ルールの面では国家と国家が駆け引きをしながら決めているというのがそもそも間違いなのです。
寺島さんは触れていないが、私が世界連邦ということを訴えるのはそういうわけです。今、主権国家という枠組みには完全に限界がきている時代なのです。
では、講演録スタート。
サブプライムローンに突っ込むべき規模が1兆ドル。
「ウォールストリートで食い散らした人をどうして税金が助けなければいけないのか」という人がいるのでそこで減税案も抱き合わせ、合計1兆1千億ドルの負担となった。
新自由主義の総本山であるアメリカが、中国も真っ青のやり方で、新自由主義の総本山とも言えるウォールストリートに公的資金を突っ込むというブラックジョークのようなことが起きている。
私は以前から「勝つかどうかはともかく、時代が呼んでいるのはオバマだ」と言っていた。ベトナムシンドロームでのたうち回っていた時は癒しのカーターが必 要だった。アメリカの残している数少ないいい所のポイントがオバマである。「黒人であるオバマを選んだアメリカは凄い」「アメリカをよみがえらせる時、こ れが非常に重要な要素となる」と、フランシス・フクヤマというネオコン・共和党右派がオバマ支持を表明した。ニューディールのフランクリン・ルーズベルト と似た形で出てきた。
1933年銀行と証券を分離する法律(正式名『グラス・スティーガル法』)の廃止など、アメリカは行き過ぎたマネーゲームに踏み込んだ。まずこれ(銀行と 証券の分離)をやるだろう。もう一つは新産業政策の展開である。グリーンリカバリー(景気回復)戦略、すなわち環境とエネルギー政策に力を入れてくるだろ う。
金融資本主義が行き過ぎたところまで来てしまった。歴史の中で我々はどういう時代に生きているのかを意識しないと国際連帯税のことがわからない。これを3題話のようにして語ろうと思う。
3題話の1つめ。80年代はウォールストリートのヒーローにマイケル・ミルケンがおり世界にある2万軒のマクドナルドの利益よりも大きかった。「ジャンク・ボンドの帝王」と呼ばれる。映画「ウォールストリート」(監督は「プラトーン」のオリヴァー・ストーン、1987年製作)でマイケル・ダグラスがやっていた役のモデルである。「マネーゲームであって、社会に何らの利益ももたらしていない」という文を私は書いた。
今、振り返るとサブプライムローンに比べればマイケル・ミルケンの方がはるかにまともに思える。マイケル・ミルケンのおかげでマイクロソフトなどに金が 回った。その頃の日本の銀行・金融は土地を担保に金を貸すことしか思いつかなかった。彼はベンチャー企業にも金が回る仕組みを作った。後に日本に現れたホ リエモン(元ライブドア社長の堀江貴文氏のこと)・村上ファンド(元通商産業省官僚の村上世彰氏が率いるファンド)はマイケル・ミルケンのまねであり、エピ・ゴーネンである。
3題話の2つめ。冷戦崩壊で資本主義が社会主義に勝ったと驕りをもった。社会主義は非効率によって自壊しただけ。ここでジョージ・ソロスが出た。マハ ティールが名指しで罵倒した。ソロスは評価の難しい男だ。一方で世界一の投機家、「ヘッジファンドの帝王」であえい、他方で世界中の福祉・民主化に力を入 れている。90年代ソロス批判をたくさん私は書いたものだが。サブプライム問題を目の当たりにすると、ソロスはまともだったとさえ思う。彼によって金融が 利益をもたらす仕組みが変わったのだが。
当時、理工系の7割が軍需産業に雇われていた。1990年代冷戦が終わり、軍民転換が行われ、アメリカは軍事予算の3割をカットした。日本では金融が合従 連衡していたが、アメリカは軍需セクターの合従連衡が起こった。軍需セクターは属している人さえ吐き出しており、新しい人なんか雇えない。そういう中で金 融が理工系を雇い、IT(情報通信)とFT(金融技術)の合体が図られた。この中でデリバティブなど金融ビジネスモデルなどの変化が起こったのである。
3題話の最後に、ではサブプライムって何だ、いうことについて。これは恐ろしい誘惑で、仮に私に対してビルのオフィスをつけて、MBA(経営学修士)卒を 部下につけるとする。アメリカは100万人の弁護士がいる世界だが、私に100人くらいの税理士・法律家をつけるとして、「これで濡れ手に粟のビジネスモ デルを作れ」と私が言ったとする。それでできたのがサブプライム(の制度設計)と考えるとわかりやすい。
アメリカの住宅が高くなり続けるという前提がサブプライム成立の元である。
これは段ボールまんじゅう(豚肉の代わりに使用済み段ボール紙を詰めた肉まんのこと)みたいなもの。リスクについては一応書いてはあるがよくわからない。 リスクの為の保険がAIGにあり、ここに公金を突っ込まないとドミノ倒しが起きる。「金融工学の進化とは」「本来金貸してはいけない人にどうやって金貸す かの技術」と言って間違いない。
額に汗せずに儲ける方法を頭でっかちに考えた人の行きつく先がサブプライムローン。グローバル化だけ言って適正な制御を考えないのは実に危険である。移動しやすい財(典型がお金)と移動しにくい財(労働力など)がある。ここで格差が生まれる。
オタクのコーナー
アイドルのDVDのタイトル、コマーシャルのセリフなどで萌えを感じたもの。
小倉優子 「優子と遊んで」
小阪由佳 「由佳にもかけて」
奥菜恵 「こすっちゃうかも」
夏目理緒 「コスっちゃうぞ」
白井絵莉さんのDVDのタイトル「しらえろす」は白井絵莉さんが自分で考えたそうである。
そして、先日の「プレイボーイ」で谷麻紗美さんの水着グラビアに書いてあった、次のセリフが萌え。
「このこと、他の人にいうたらあかんよ」
今回は主にアメリカサブプライムローンなどの話です。
経済活動が完全に国境を越えてバンバン行われているのに、ルールの面では国家と国家が駆け引きをしながら決めているというのがそもそも間違いなのです。
寺島さんは触れていないが、私が世界連邦ということを訴えるのはそういうわけです。今、主権国家という枠組みには完全に限界がきている時代なのです。
では、講演録スタート。
サブプライムローンに突っ込むべき規模が1兆ドル。
「ウォールストリートで食い散らした人をどうして税金が助けなければいけないのか」という人がいるのでそこで減税案も抱き合わせ、合計1兆1千億ドルの負担となった。
新自由主義の総本山であるアメリカが、中国も真っ青のやり方で、新自由主義の総本山とも言えるウォールストリートに公的資金を突っ込むというブラックジョークのようなことが起きている。
私は以前から「勝つかどうかはともかく、時代が呼んでいるのはオバマだ」と言っていた。ベトナムシンドロームでのたうち回っていた時は癒しのカーターが必 要だった。アメリカの残している数少ないいい所のポイントがオバマである。「黒人であるオバマを選んだアメリカは凄い」「アメリカをよみがえらせる時、こ れが非常に重要な要素となる」と、フランシス・フクヤマというネオコン・共和党右派がオバマ支持を表明した。ニューディールのフランクリン・ルーズベルト と似た形で出てきた。
1933年銀行と証券を分離する法律(正式名『グラス・スティーガル法』)の廃止など、アメリカは行き過ぎたマネーゲームに踏み込んだ。まずこれ(銀行と 証券の分離)をやるだろう。もう一つは新産業政策の展開である。グリーンリカバリー(景気回復)戦略、すなわち環境とエネルギー政策に力を入れてくるだろ う。
金融資本主義が行き過ぎたところまで来てしまった。歴史の中で我々はどういう時代に生きているのかを意識しないと国際連帯税のことがわからない。これを3題話のようにして語ろうと思う。
3題話の1つめ。80年代はウォールストリートのヒーローにマイケル・ミルケンがおり世界にある2万軒のマクドナルドの利益よりも大きかった。「ジャンク・ボンドの帝王」と呼ばれる。映画「ウォールストリート」(監督は「プラトーン」のオリヴァー・ストーン、1987年製作)でマイケル・ダグラスがやっていた役のモデルである。「マネーゲームであって、社会に何らの利益ももたらしていない」という文を私は書いた。
今、振り返るとサブプライムローンに比べればマイケル・ミルケンの方がはるかにまともに思える。マイケル・ミルケンのおかげでマイクロソフトなどに金が 回った。その頃の日本の銀行・金融は土地を担保に金を貸すことしか思いつかなかった。彼はベンチャー企業にも金が回る仕組みを作った。後に日本に現れたホ リエモン(元ライブドア社長の堀江貴文氏のこと)・村上ファンド(元通商産業省官僚の村上世彰氏が率いるファンド)はマイケル・ミルケンのまねであり、エピ・ゴーネンである。
3題話の2つめ。冷戦崩壊で資本主義が社会主義に勝ったと驕りをもった。社会主義は非効率によって自壊しただけ。ここでジョージ・ソロスが出た。マハ ティールが名指しで罵倒した。ソロスは評価の難しい男だ。一方で世界一の投機家、「ヘッジファンドの帝王」であえい、他方で世界中の福祉・民主化に力を入 れている。90年代ソロス批判をたくさん私は書いたものだが。サブプライム問題を目の当たりにすると、ソロスはまともだったとさえ思う。彼によって金融が 利益をもたらす仕組みが変わったのだが。
当時、理工系の7割が軍需産業に雇われていた。1990年代冷戦が終わり、軍民転換が行われ、アメリカは軍事予算の3割をカットした。日本では金融が合従 連衡していたが、アメリカは軍需セクターの合従連衡が起こった。軍需セクターは属している人さえ吐き出しており、新しい人なんか雇えない。そういう中で金 融が理工系を雇い、IT(情報通信)とFT(金融技術)の合体が図られた。この中でデリバティブなど金融ビジネスモデルなどの変化が起こったのである。
3題話の最後に、ではサブプライムって何だ、いうことについて。これは恐ろしい誘惑で、仮に私に対してビルのオフィスをつけて、MBA(経営学修士)卒を 部下につけるとする。アメリカは100万人の弁護士がいる世界だが、私に100人くらいの税理士・法律家をつけるとして、「これで濡れ手に粟のビジネスモ デルを作れ」と私が言ったとする。それでできたのがサブプライム(の制度設計)と考えるとわかりやすい。
アメリカの住宅が高くなり続けるという前提がサブプライム成立の元である。
これは段ボールまんじゅう(豚肉の代わりに使用済み段ボール紙を詰めた肉まんのこと)みたいなもの。リスクについては一応書いてはあるがよくわからない。 リスクの為の保険がAIGにあり、ここに公金を突っ込まないとドミノ倒しが起きる。「金融工学の進化とは」「本来金貸してはいけない人にどうやって金貸す かの技術」と言って間違いない。
額に汗せずに儲ける方法を頭でっかちに考えた人の行きつく先がサブプライムローン。グローバル化だけ言って適正な制御を考えないのは実に危険である。移動しやすい財(典型がお金)と移動しにくい財(労働力など)がある。ここで格差が生まれる。
オタクのコーナー
アイドルのDVDのタイトル、コマーシャルのセリフなどで萌えを感じたもの。
小倉優子 「優子と遊んで」
小阪由佳 「由佳にもかけて」
奥菜恵 「こすっちゃうかも」
夏目理緒 「コスっちゃうぞ」
白井絵莉さんのDVDのタイトル「しらえろす」は白井絵莉さんが自分で考えたそうである。
そして、先日の「プレイボーイ」で谷麻紗美さんの水着グラビアに書いてあった、次のセリフが萌え。
「このこと、他の人にいうたらあかんよ」